編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The Diabetes Control and Complications Trial Research Group.: The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus. N Engl J Med 1993; 329: 977-986. [PubMed]

DCCTは,多大な予算,周到な準備,多くの患者の参加のもとに行われ,血糖コントロールと糖尿病合併症との関連を初めて明確に実証した,歴史的な試験である。【粟田卓也】

●目的 IDDMにおける強化インスリン療法による厳格な血糖コントロールが,細小血管合併症の発症および進展を予防するかを検討した。
●デザイン 無作為,オープン,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均6.5年間(3~9年)。
●対象患者 1441例:IDDM患者(ただし,高血圧,高脂血症,重篤な合併症・疾患がない者)。13~39歳。
●方法 一次予防群(罹病期間1~5年,網膜症なし,尿中アルブミン排泄[UAE]量<40mg/日)726例,および二次介入群(罹病期間1~15年,非増殖網膜症あり,UAE量<200mg/日)715例を,それぞれ強化療法群(1日3回以上のインスリン注射あるいはポンプによるインスリン皮下持続注入療法,1ヵ月ごとの通院と頻回の指導)と従来療法群(1日1~2回のインスリン注射,3ヵ月ごとの通院)に割付け。
●結果 追跡期間中の血糖日内変動時の平均血糖値,平均HbA1c値は,強化療法群は従来療法群に比し有意に低値であった(ともにp<0.001)。
一次予防群では,強化療法群は従来療法群に比較して,試験開始3年目以降に網膜症の累積発症率が低下し,発症リスクは76%減少した。
二次介入群においては,網膜症の累積発症率は2年目までは強化療法群でむしろ高かったが,3年目以降では従来療法群より低くなり,進展リスクは54%減少した。腎症については,2群をあわせた検討で,強化療法により,微量アルブミン尿(UAE量≧40mg/日)およびアルブミン尿(UAE量≧300mg/日)の発症リスクがそれぞれ39%,54%低下した。また,臨床的神経障害の5年後の発症率が60%低下した。高コレステロール血症の発症リスクは強化療法群で34%低下し,有意ではなかったが心血管あるいは末梢血管イベントのリスクは41%低下した。
他人の介助を必要とする重症低血糖の頻度は強化療法で約3倍に増加したが,低血糖による死亡や心筋梗塞,脳血管障害はなかった。体重は,強化療法群が従来療法群に比し平均で4.6kg増加していた。
●結論 強化インスリン療法による厳格な血糖コントロールは,IDDMにおける網膜症,腎症および神経障害の発症および進展の予防に有効である。