編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The Diabetes Control and Complications Trial Research Group.: Effect of intensive therapy on residual beta-cell function in patients with type 1 diabetes in the diabetes control and complications trial. A randomized, controlled trial. Ann Intern Med 1998; 128: 517-523. [PubMed]

1型糖尿病においては,膵β細胞機能は最終的には廃絶してしまうことが多いが,強化インスリン療法により廃絶までの期間を延長しうることが示された。膵β細胞機能の温存は細小血管合併症の予防に重要であり,強化インスリン療法を1型糖尿病発症後なるべく早く開始することの必要性を示すものである。【粟田卓也】

●目的 1型糖尿病において,強化インスリン療法が残存膵β細胞機能に及ぼす影響を検討した。
●デザイン 無作為,オープン,多施設。
●試験期間 DCCT全体の追跡期間は平均6.5年(3~9年)。
●対象患者 303例:DCCTに参加の全1型糖尿病患者1441例のうち,開始時の罹病期間1~5年で,膵β細胞機能が保持されていた症例。膵β細胞機能は基準食(糖質55%,蛋白質24%,脂質21%)を朝食として摂取1時間半後の血清Cペプチド値で判定した。血清Cペプチド値が0.20pmol/mL(0.60ng/mL)以上をCペプチド反応すなわち膵β細胞機能保持と判定し,0.20pmol/mL未満をCペプチド無反応群すなわち膵β細胞機能廃絶と判定した。
●方法 強化療法群(1日3回以上のインスリン注射あるいはポンプによるインスリン皮下持続注入療法,138例)と従来療法群(1日1~2回のインスリン注射,165例)に割付け。
●結果 強化療法群は従来療法群と比較して,膵β細胞機能廃絶となるリスクが57%減少(p<0.001)。また,全DCCT症例における検討と同様に,強化療法群は従来療法群と比較して,網膜症進展および微量アルブミン尿出現のリスクが減少したが,重症低血糖のリスクが増加した。さらに,強化療法を行った症例全体で,開始時の膵β細胞機能の保持群(138例)は廃絶群(274例)と比較して,HbA1cが低く(p<0.01),網膜症進展のリスクが50%減少,重症低血糖のリスクが65%減少した(p<0.001)。
●結論 強化インスリン療法は膵β細胞機能の温存に有用である。膵β細胞機能の温存はよりよい血糖コントロールをもたらし,低血糖のリスクおよび細小血管合併症のリスクを減少させる。