編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hansson L, Zanchetti A, Carruthers SG, Dahlof B, Elmfeldt D, Julius S, Menard J, Rahn KH, Wedel H, Westerling S: Effects of intensive blood-pressure lowering and low-dose aspirin in patients with hypertension: principal results of the Hypertension Optimal Treatment (HOT) randomised trial. HOT Study Group. Lancet 1998; 351: 1755-1762. [PubMed]

過度の降圧はかえって心血管イベントを増加させるというJカーブ現象の有無を検証することが目的であった。3群の血圧レベルに目標値ほどの差が出なかったため,Jカーブ現象の有無の検証はできなかったが,DBP 82.6mmHg程度であれば心血管イベントは増加しないということはわかった。糖尿病群については3群間に心血管イベントの差が認められ,糖尿病を伴う高血圧患者の降圧目標値を130/85mmHgとする根拠となっている。ただしHOTの発表は,糖尿病を伴う高血圧患者の降圧目標値を130/85mmHgとした米国合同委員会第6次報告(1997年)の後であった。本研究ではデザインがオープン試験であること,また糖尿病群についてはサブ解析であることが弱点である。【景山 茂

●目的 高血圧治療における不適切な降圧による心血管合併症発症を避けるために,至適DBP値を検討し,さらに低用量aspirinの心血管合併症予防効果を検討した。
●デザイン PROBE(Prospective, Randomised, Open with Blinded Endpoint evaluation),多施設。
●試験期間 追跡期間は平均3.8年(3.3~4.9年)。
●対象患者 18790例:DBP 100~115mmHgの高血圧患者。うち糖尿病を伴う患者は1501例。平均年齢61.5歳。
●方法 患者を降圧目標DBP≦90mmHg群(6264例),≦85mmHg群(6264例),≦80mmHg群(6262例)に割り付けた(うち糖尿病患者はそれぞれ501例,501例,499例)。第1段階としてCa拮抗薬felodipineを5mg/日投与。目標値に達しない場合は,第2段階としてACE阻害薬,β遮断薬を追加,3段階はfelodipineを10mg/日に増量,4段階は2段階の倍量投与,5段階は利尿薬の追加とした。また各群にはaspirin(75mg/日)かプラセボを二重盲検で投与した。
●結果 (糖尿病に関する結果)ベースライン時に糖尿病を伴う患者は,≦80mmHg群で主要な心血管イベント(非致死性心筋梗塞[MI],脳卒中,心血管死)のリスクが≦90mmHg群の半分であった(p=0.005)。この低下率は無症候性MIを含むと減少するものの有意であった。全MIのリスクもほぼ半分であったが,有意ではなかった。脳卒中も≦90mmHg群に対して≦80mmHg群で約30%のリスク低下,心血管死亡率も≦80mmHg群で他の2群よりも有意に低かった。
●結論 (糖尿病に関する結論)糖尿病患者では降圧目標値が低いほど,主要な心血管イベントおよび心血管死の発生率が低かった。