編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Assmann G, Schulte H: The Prospective Cardiovascular Munster (PROCAM) study: prevalence of hyperlipidemia in persons with hypertension and/or diabetes mellitus and the relationship to coronary heart disease. Am Heart J 1988; 116: 1713-1724. [PubMed]

PROCAMは冠動心脈疾患とそのリスク因子である高血圧・糖尿病・高脂血症の実態を明らかにした。Syndrome Xあるいはインスリン抵抗性症候群の概念が広まる前に,リスク因子が一個人に集積する傾向のあることを示した,貴重な成績である。【景山 茂

●目的 ドイツ人の冠動脈心疾患(CHD)のリスク因子罹病率を測定し,CHDの予測および早期発見の改善,血管疾患一次予防のための勧告作成を目的としたPROCAM studyにおいて,高血圧,糖尿病,高脂血症の罹病率とCHDとの関連を解析した。
●デザイン 疫学,longitudinal解析。
●試験期間 現在進行中(1979年~)。
●対象患者 男性14799例,女性6507例。登録時に心筋梗塞,脳卒中の既往のない者。
●方法 ライフスタイルを含む個人歴,家族歴の質問票,血圧,身長,体重,安静時心電図,12時間空腹時血糖値を2年ごとに検査した。
●結果 【追跡4年の男性2681例(40~65歳)の解析】高血圧,糖尿病,高脂血症はCHDの独立したリスク因子で,併発した場合,リスクはさらに上昇した。高脂血症は他の因子に比べて,より重大なCHDのリスク因子であった。
【男性4043例と女性1333例(50~65歳)のデータ】糖尿病患者の50%以上が高血圧であった。コレステロールは高血圧,糖尿病男性でやや増加,LDL-Cは高血圧男性および糖尿病女性でのみやや上昇,トリグリセリドは男女とも高血圧で高く,糖尿病では著しく高かった。HDL-Cは高血圧で,特に女性で低下し,糖尿病女性ではさらに低下していた。高血圧,糖尿病,高脂血症の3つのリスク因子にさらされた男性の約40%,女性の60%が,HDL-C低下などの粥状硬化をきたす要因を有していた。
●結論 糖尿病,高血圧はそれぞれ独立したCHDのリスク因子であった。また,糖尿病における高トリグリセリド血症はHDL-C低下をもたらすCHDのリスク因子である。50歳以上の患者群で,HDL-C低値が総コレステロール,LDL-Cよりも強い予知因子であることを考慮すると,この所見は非常に重要である。