編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The effect of intensive diabetes treatment on the progression of diabetic retinopathy in insulin-dependent diabetes mellitus. The Diabetes Control and Complications Trial. Arch Ophthalmol 1995; 113: 36-51. [PubMed]

強化インスリン療法は良好な血糖コントロールを促し,結果的に網膜症の発症,進行予防に有効であることが確認された。しかし一方で強化インスリン療法では早期悪化が起こりうることも示された。【梯 彰弘】

●目的 強化インスリン療法による糖尿病網膜症の進行抑制効果を調査した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 追跡期間は3~9年。
●対象患者 1441例:糖尿病歴1~5年の網膜症を認めない726例(一次予防群)と,糖尿病歴1~15年の非増殖糖尿病網膜症715例(二次介入群)。IDDM患者。13~39歳。
●方法 患者を強化インスリン療法群と従来療法群に割り付けた。強化療法とは,正常血糖をめざして自己血糖計測に基づいて1日最低3回のインスリン注射もしくは注入ポンプ治療を行うこと。従来療法は1日1回もしくは2回のインスリン注射治療を行うこと。網膜症の評価はETDRSプロトコール[下部NOTE参照]に沿ってステレオ眼底写真を6ヵ月ごとに撮影して行った。
●結果 一次予防試験(網膜症発症を予防しうるか)では,強化療法群で11.5%,従来療法群で54.1%に網膜症発症を認めた。
二次介入試験(網膜症の進行を抑制しうるか)では,強化療法群で17.1%,従来療法群で49.2%に網膜症進行を認めた。強化療法群では6ヵ月および12ヵ月の時点で早期悪化を認めたが,その後は回復傾向を示した。3年半の経過観察では,強化療法群は従来療法群の5分の1以下の網膜症発症率であった。強化療法群では発症した後の改善率が従来療法群の2倍以上であった。
●結論 IDDMにおいて強化インスリン療法は血糖値を安全に正常近くまで下げ,網膜症の進展予防に効果的である。