編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The Canadian-European Randomized Control Trial Group: Cyclosporin-induced remission of IDDM after early intervention. Association of 1 yr of cyclosporin treatment with enhanced insulin secretion. Diabetes 1988; 37: 1574-1582. [PubMed]

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●目的 免疫抑制薬cyclosporinがIDDMの寛解を増強するかどうかを検討した。寛解はグルカゴン誘発インスリン結合ペプチド(CP)濃度とインスリンを投与しない状態(NIR)により判断した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は1年。
●対象患者 188例(カナダ57例,欧州131例):インスリン治療開始6週間以内,症状発現14週間以内の糖尿病患者。9~35歳。空腹時血糖値>7.8mM,または食後血糖値>11.1mM。
除外基準:肥満(16歳未満は理想体重の110%,16歳以上は120%を超える者),NIDDMの家族歴,肝・腎・骨髄疾患,悪性疾患。
●方法 cyclosporin初期用量は10mg/kg/日,12時間トラフ濃度が血清値で100~200ng/mL(カナダ),全血値で400~800ng/mL(欧州)となるよう維持。インスリンは血糖値7.8mM以下となるように最低量を投与。代謝コントロールはグリコヘモグロビン値により,インスリン内分泌はグルカゴン誘発血漿CP濃度により3ヵ月ごとに評価した。総合寛解は血漿CP濃度0.6nM以上,NIRで血糖値が目標値に維持されること,臨床的寛解はNIRのみと定義した。
●結果 代謝コントロールは両群で有意差はなかった。cyclosporinによる副作用の頻度や程度は一般的な範囲内であった。1年後の総合寛解はcyclosporin群の33.0%,プラセボ群の20.7%,臨床的寛解はそれぞれ24.2%と9.8%であった(p<0.06)。ベースライン値を補正した多重解析によると,6ヵ月と12ヵ月のどちらもcyclosporin群が有意に寛解を示した。cyclosporin群が臨床的寛解または総合寛解に至る確率は,プラセボ群に比べてそれぞれ4.6倍(p<0.002)と7.1倍(p<0.008)であった。また,6ヵ月時点ではcyclosporinは比較的糖尿病歴の浅い患者に有効であったが,12ヵ月では糖尿病による差は有意ではなかった。グルカゴン誘発血漿CP濃度はcyclosporin群で有意に高く,12ヵ月間維持された(0.46±0.13 vs. 0.35±0.12,p<0.002)。
●結論 診断直後にcyclosporin治療を開始すると寛解率が高くなり,IDDM診断1年以内の膵β細胞機能が増強される。