編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The DAMAD Study Group.: Effect of aspirin alone and aspirin plus dipyridamole in early diabetic retinopathy. A multicenter randomized controlled clinical trial. Diabetes 1989; 38: 491-498. [PubMed]

糖尿病網膜症における微小血管瘤の形成は,複数の毛細血管の閉塞が関与しているとされ,その意味において血小板凝集抑制剤による現治療法は合理的であるが,治療群(HbA1=8.1%)でも明らかに網膜症は進展しており,血糖のコントロールがやはり第一義的にケアされるべきものであることに変わりはない。【犬飼浩一】

●目的 早期糖尿病網膜症に対する,抗血小板薬aspirinとdipyridamoleの治療効果を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は3年。
●対象患者 420例:微小血管瘤数が5個以上の早期糖尿病網膜症(うち,インスリン治療患者266例)。17~67歳。
除外基準:出血傾向や胃潰瘍など抗血小板凝集薬長期投与の不可能な患者。また黄斑浮腫,増殖網膜症などの重症例,光凝固法をすでに施行した患者。
●方法 患者をaspirin(330mg×3回/日)単独群(145例),aspirinとdipyridamole(75mg×3回/日)併用群(142例),プラセボ群(133例)に割付け。蛍光色素網膜血管造影を年1回実施し,観察される微小血管瘤の数によって網膜症の進行度を評価する。
●結果 血管瘤数の平均的増加は,aspirin単独群が0.69±5.1,aspirinとdipyridamole併用群が0.34±3.0,プラセボ群が1.44±4.5であり,併用群は単独群よりもいい成績であるものの,両群間で有意差はなく,プラセボ群では治療群と比べて有意に網膜微小血管瘤数の増加がみられた(p=0.02)。眼底所見の悪化がみられた群は,そうでない群と比べて,約4倍の微小血管瘤の増加がみられ,微小血管瘤数の増加は網膜症の進展度を反映するものと考えられた。
●結論 早期糖尿病網膜症に対して,aspirinまたはaspirinとdipyridamoleの併用療法は,その進展防止に有効であることが示された。