編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Colwell JA, Bingham SF, Abraira C, Anderson JW, Comstock JP, Kwaan HC, Nuttall F: Veterans Administration Cooperative Study on antiplatelet agents in diabetic patients after amputation for gangrene: II. Effects of aspirin and dipyridamole on atherosclerotic vascular disease rates. Diabetes Care 1986; 9: 140-148. [PubMed]

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●目的 壊疽による下肢切断後のNIDDM患者に対する抗血小板薬(aspirin+dipyridamole)治療が,主要な血管死に与える効果を検討した。一次エンドポイントは,アテローム硬化性の血管死および残った下肢の壊疽による切断。二次エンドポイントは,全死亡,全下肢切断,心筋梗塞(MI),脳血管疾患(脳卒中および一過性脳虚血発作)。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間の中央値は,実薬群3.6年,プラセボ群3.5年。
●対象患者 231例:NIDDM(空腹時血糖値>130mg/dL,または耐糖能テストにより診断)の男性で,壊疽のある患者(グループA:24例)または18ヵ月以内に壊疽により下肢切断を行った患者(グループB:207例)。
除外基準:2年以内に消化性潰瘍の既往,消化管出血,抗凝固または抗血小板療法の必要,出血の素因,悪性腫瘍,血清クレアチニン値>3mg/dL,経口糖尿病治療薬の必要。
●方法 患者をプラセボ群(121例)または実薬群(110例。aspirin 325mg+dipyridamole 75mg)に割り付け,3ヵ月ごとに糖尿病治療の観察,血管および神経における変化の記録,網膜症,心臓,下肢の検査,空腹時血漿より血糖値,脂質値の測定,血小板凝集の測定を行った。また1年ごとに喫煙,運動,入院の状況を調査した。
●結果 アテローム硬化性の血管死は,実薬群24例(21.8%),プラセボ群23例(19.0%)。残った下肢の切断は,実薬群22例(20.0%),プラセボ群29例(24.0%)。総合的に一次エンドポイント発生は,実薬群40例(36.4%),プラセボ群44例(36.4%)であった。ニ次エンドポイントのうち,全死亡,全下肢切断,MIに関する生存曲線には,両群の違いはほとんどなかったが,突然死がプラセボ群6例に対し実薬群で14例と多かった(p=0.04)。脳血管疾患の発生は,実薬群9例(8.2%),プラセボ群23例(19.0%)であった(p=0.02)。
●結論 末梢血管疾患を有するNIDDM患者に対する抗血小板薬治療は,アテローム硬化性の血管死,また残った下肢の壊疽による切断に効果がなく,全死亡,全下肢切断,MIにも効果がない。脳卒中および一過性脳虚血発作に対する予防効果は示唆されたが,これは二次エンドポイントであり,データの多重解析後の知見であることから注意を要する。