編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Koskinen P, Manttari M, Manninen V, Huttunen JK, Heinonen OP, Frick MH: Coronary heart disease incidence in NIDDM patients in the Helsinki Heart Study. Diabetes Care 1992; 15: 820-825. [PubMed]

この研究の主な結果では,gemfibrozilによる治療でコレステロールは低下し,冠動脈心疾患は減少したが,不慮の事故,自殺,事故,暴力の増加により,プラセボと比較して総死亡は減少しなかった。この報告は糖尿病を合併する者についての成績であるが,症例数が少なく,糖尿病を伴った高脂血症に対するgemfibrozilの効果を論じることは困難である。【景山 茂

●目的 NIDDMを伴う血清脂質異常患者における冠動脈心疾患(CHD)の発症頻度を調査し,さらにgemfibrozil(フィブラート)の血清脂質改善効果とCHDの発症について検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検。
●試験期間 -
●対象患者 135例:non-HDL-C高値(>200mg/dL)の中年男性におけるgemfibrozilの冠動脈一次予防を検討したHelsinki Heart Studyの登録患者4081例中,NIDDMの患者。平均年齢50.1±4.0歳。
除外基準:CHD患者,心電図にCHDが示唆されている患者,IDDM患者。
●方法 76例をプラセボ群に,59例をgemfibrozil群に割付け。全症例に食事指導を行い,脂肪摂取を総エネルギーの30~35%(一般は37~40%)に減らし,多価不飽和脂肪酸比を0.3~0.5(一般は0.2)に増やすように指導した。糖尿病治療はこの試験には含まれないため,家庭医により行われた。
●結果 非糖尿病患者に比較して糖尿病患者では,HDL-Cは低く,トリグリセリド,BMIは高く,高血圧患者が多かった。
心筋梗塞と心臓死は糖尿病患者で非糖尿病患者より多かった(7.4 vs. 3.3%)。CHD発症はgemfibrozil群の糖尿病患者では3.4%,プラセボ群では10.5%であった(有意差なし)。多変量解析では糖尿病,年齢,喫煙,低HDL-C,および高LDL-CがCHD発症と独立して関連していた。糖尿病患者のgemfibrozilによる血清およびリポ蛋白脂質の変化は非糖尿病患者に似ていた。
●結論 NIDDMを伴う脂質異常患者は,糖尿病のない脂質異常患者と比較してCHDのリスクが著しく高い。このリスクはgemfibrozilによりある程度低下しうる。