編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年7月現在,1167報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Fuchtenbusch M, Rabl W, Grassl B, Bachmann W, Standl E, Ziegler AG: Delay of type I diabetes in high risk, first degree relatives by parenteral antigen administration: the Schwabing Insulin Prophylaxis Pilot Trial. Diabetologia 1998; 41: 536-541. [PubMed]

-

●目的 1型糖尿病の高リスク集団において,インスリンの静脈内および皮下投与の発症遅延・予防効果を検討した。
●デザイン 無作為,対照,パイロット。
●試験期間 治療群2.3~7.1年,対照群1.7~7.1年。追跡終了は1997年7月。
●対象患者 14例:1989年1月~1995年10月に1736例の1型糖尿病患者を対象にスクリーニングの結果,登録基準を満たした者。平均年齢は治療群15.6歳,対照群19.1歳。男女。
登録基準:1型糖尿病患者の1親等,4歳以上,2種以上の血清標本で膵島細胞抗体(ICA)値20 JDF-U(Juvenile Diabetes Foundation Units)以上,静脈内ブドウ糖負荷試験(IVGTT)に対するインスリン反応(FPI,1+3分)<65μU/mL,OGTT値正常。
●方法 患者を治療群(7例)および対照群(7例)に割付け。治療群には,インスリンを7日間静脈内投与(≧0.1U/時から始め,空腹時血糖値60~70mg/dL,食後血糖値<90mg/dLになるように調節)の後,6ヵ月間皮下投与,以後12ヵ月ごとに7日間静脈内投与。OGTT,IVGTT,自己抗体(IAA,GADA,IA2A,ICA)測定を試験開始時,9ヵ月後(皮下注中止3ヵ月後),12ヵ月後,および静注治療前の1年ごとに実施。
●結果 糖尿病の発症は,治療群3例,対照群6例であった。糖尿病を発症しなかった期間は,治療群5.0±0.9年,対照群2.3±0.7年(p<0.03)と,インスリン治療が1型糖尿病発症を遅らせることを示した。1型糖尿病のリスクは1年後でも4年後でも治療群(平均14%;95%CI 0-40%)が対照群(1年後43%;6-80%,4年後71%;38-100%)に比べ低かった。治療群では,初年のFPI分泌がほとんどの患者で改善したが(ベースライン時平均43±10μU/mL,1年後平均83±43μU/mL),これは持続しなかった。治療群のICA,GADA,IA2Aに変化はなかった。
●結論 予防的インスリン療法は,1型糖尿病の高リスク集団における発症を遅延させる。