編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Trocha AK, Schmidtke C, Didjurgeit U, Muhlhauser I, Bender R, Berger M, Sawicki PT: Effects of intensified antihypertensive treatment in diabetic nephropathy: mortality and morbidity results of a prospective controlled 10-year study. J Hypertens 1999; 17: 1497-1503. [PubMed]

UKPDS同様,1型糖尿病でも血圧治療の重要性が確認された。透析導入前の死亡が半数を占め,心血管疾患の発症抑制が死亡の減少に有効であることが示された。【盛田俊介】

●目的 高血圧と腎症を合併する1型糖尿病患者の予後に対する強化降圧療法の効果を検討した。一次エンドポイントは死亡,二次エンドポイントは腎透析,失明,下肢切断。
●デザイン 前向き,非無作為,パラレル。
●試験期間 追跡期間は10年。
●対象患者 91例:腎症(蛋白尿>500mg/日,血清クレアチニン値<3.0mg/dL),網膜症,高血圧(血圧>140/90mmHg および/もしくは降圧療法中)を合併する1型糖尿病で,インスリン治療を受けている患者。
●方法 患者を強化降圧療法(IT)群(45例)と従来降圧療法(RT)群(46例)に割り付けた。IT群は,高血圧教室および治療プログラム(HTTP)に参加し,RT群は主として家庭医により管理された。3~4ヵ月ごとの受診と5年後,10年後の追跡検査を施行した。
●結果 割付け時,IT群では有意に血圧が高く,また,糖尿病罹病期間が長期であった以外は差を認めなかった。
血圧はIT群で有意に下降した一方,RT群では上昇した。併用された降圧薬はIT群で多く,β遮断薬の比率が高かったが,ACE阻害薬,Ca拮抗薬には差を認めなかった。死亡数はIT群7例,RT群22例で,IT群の相対リスクは79%減少し,死亡原因は心疾患が大部分を占めた。多重Cox比例ハザードモデルにおいて,年齢と平均血圧が相対リスクを悪化させた。二次エンドポイントである透析導入,下肢切断,新たな失明の発症は,いずれもIT群で有意に低く,相対リスクはそれぞれ73%,82%,84%減少した。
●結論 強化降圧療法は,腎症を有する1型糖尿病患者の死亡率と合併症の発症率を改善した。