編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Diabetes Control and Complications Trial Research Group.: Effect of intensive diabetes treatment on the development and progression of long-term complications in adolescents with insulin- dependent diabetes mellitus: Diabetes Control and Complications Trial. J Pediatr 1994; 125: 177-188. [PubMed]

1型糖尿病は若年で起こることが多いため,成人以前の血糖コントロール基準についてのコンセンサスが必要である。青年期(13~17歳)では,強化インスリン療法による厳格な血糖コントロールが細小血管合併症の発症および進展の予防に有効であり,重症低血糖の発現増加のデメリットを上回るものと考えられた。さらに若年(13歳未満)の症例はDCCTには含まれていないが,少なくとも乳幼児においては重症低血糖の中枢神経系の発達への悪影響の可能性から,強化インスリン療法は適応外と考えられる。【粟田卓也】

●目的 青年期のIDDMにおいて,強化インスリン療法が細小血管合併症の発症および進展を予防するかを検討した。
●デザイン 無作為,オープン,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均7.4年(4~9年)。
●対象患者 195例:青年期(13~17歳)のIDDM患者。
●方法 一次予防群(網膜症のないもの)125例,および二次介入群(非増殖網膜症を有するもの)70例を,それぞれ強化療法群(1日3回以上のインスリン注射あるいはポンプによるインスリン皮下持続注入療法)と従来療法群(1日1~2回のインスリン注射)に割付け。
●結果 一次予防群では,強化療法は従来療法と比較して,網膜症発症のリスクを53%減少させた(p=0.048)。
二次介入群では,強化療法は網膜症進展のリスクを70%減少(p=0.010),微量アルブミン尿出現のリスクを55%減少(p=0.042)させた。全体では,5年後の末梢神経伝導速度が,強化療法群は従来療法群より有意に速かった。また,重症低血糖の発症頻度は,強化療法群は従来療法群の約3倍であり(p<0.001),DCCTの成人の強化療法群と比較しても有意に多かった。しかし,低血糖に関連する外傷で入院に至る例はなかった。
●結論 強化インスリン療法による厳格な血糖コントロールは,青年期(13~17歳)のIDDMにおいても,網膜症および腎症の発症および進展の予防に有効である。