編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Curb JD, Pressel SL, Cutler JA, Savage PJ, Applegate WB, Black H, Camel G, Davis BR, Frost PH, Gonzalez N, Guthrie G, Oberman A, Rutan GH, Stamler J: Effect of diuretic-based antihypertensive treatment on cardiovascular disease risk in older diabetic patients with isolated systolic hypertension. Systolic Hypertension in the Elderly Program Cooperative Research Group. JAMA 1996; 276: 1886-1892. [PubMed]

高齢者の収縮期高血圧は治療をしなくてもよいのではないかという考えがあった。SHEPは高齢者の収縮期高血圧もまた治療すべきであることを最初に示した。本報告はその糖尿病群についてのもの。糖尿病を伴った高血圧に利尿薬は不向きとの考えが支配的であったが,利尿薬による降圧療法は,非糖尿病よりも糖尿病においてイベント抑制効果が大きいことを示した。【景山 茂

●目的 老年者収縮期高血圧を有するNIDDM患者において,低用量利尿薬をベースとした降圧治療が主要な心血管疾患(CVD)イベントに及ぼす影響を非糖尿病患者と比較した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は5年。
●対象患者 SHEP[下部NOTE参照](年齢≧60歳,SBP≧160mmHg,DBP<90mmHg)におけるNIDDM(無治療,食事療法および/あるいは経口血糖降下薬服用)583例,非糖尿病4149例。糖尿病の定義は,医師の診断,経口血糖降下薬の服用,空腹時血糖値≧140mg/dL,あるいはこれらの組合わせ。インスリン療法を受けている症例は除外した。
●方法 糖尿病患者を実薬群(283例)とプラセボ群(300例)に,非糖尿病患者を実薬群(2080例)とプラセボ群(2069例)にそれぞれ割り付けた。実薬群は利尿薬chlorthalidone 12.5~25mg/日を投与,必要ならβ遮断薬atenolol 25~50mg/日,あるいは末梢性交感神経抑制薬reserpine 0.05~0.10mg/日を投与。プラセボ群はプラセボおよび医師が処方した降圧薬を投与。
●結果 降圧効果は糖尿病,非糖尿病両群で認められ副作用もほとんどなかった。全イベントの発生率は両群で実薬群の方がプラセボ群より低く,5年後の主要CVD発症率は実薬群がプラセボ群と比べ34%低下。実薬群のプラセボ群に対する絶対リスク低下は,糖尿病の高リスクを反映して糖尿病群(101例/1000例)が非糖尿病群(51例/1000例)の2倍であった。
●結論 低用量利尿薬をベースとした降圧治療は,老年者収縮期高血圧のNIDDMおよび非糖尿病患者における,脳心血管イベントの抑制に効果的である。