編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Max MB, Lynch SA, Muir J, Shoaf SE, Smoller B, Dubner R: Effects of desipramine, amitriptyline, and fluoxetine on pain in diabetic neuropathy. N Engl J Med 1992; 326: 1250-1256. [PubMed]

amitriptyline(Tryptanol)が糖尿病性神経障害の痛みのコントロールに効果があることはいくつかのスタディですでに報告があるが,副作用で使いづらい面があるため,その後開発されたノルエピネフリンやセロトニン再取り込み選択的阻害薬が,代替薬になりうるかということを検討したものである。両者にはっきりと鎮痛効果で有意差が出たことは興味深い。【犬飼浩一】

●目的 desipramine(選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬),amitriptyline(モノアミン再取り込み阻害薬),fluoxetine(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の,糖尿病性神経障害による痛みに対する有効性を検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検,クロスオーバー。
●試験期間 治療期間6週間を2回,wash-out 2週間。
●対象患者 糖尿病性神経障害による痛みの症状のある糖尿病患者を,2つのクロスオーバー試験,すなわち,amitriptyline-desipramine投与試験(38例),fluoxetine-placebo投与試験(46例)に割付け。
除外基準:糖尿病以外の原因によると思われる神経痛の患者,心血管や末梢血管の閉塞性疾患,糖尿病性腎障害を有する患者。
●方法 6週間,amitriptyline(またはdesipramine)12.5~150mg/日を就寝前に1回内服させ,2週間wash-out後,desipramine(またはamitriptyline)を6週間投与する。同様なクロスオーバーをfluoxetine(20~40mg/日)-placebo試験についても行う。投与量は,副作用を観察しながら毎週コントロールする。痛みやその改善度の評価は,毎週,問診にてスコアリングし,うつの評価は試験前後にハミルトンスコアにて行う。
●結果 中程度以上の痛みの改善を示したのは,amitriptyline(平均投与量105mg)群では74%,desipramine(平均投与量111mg)群では61%で有意差なく,スコアリングでも有意差は認められなかった。同様に,fluoxetine(平均投与量40mg)群は48%,プラセボ群では41%でやはり有意差はなかった。amitriptyline-desipramine群はプラセボ群と比較して,中程度以上の痛みの改善やスコアリングにて有効性が示された。amitriptyline-desipramine群における痛みの改善はうつのスコアと相関しなかったが,fluoxetine群では,うつ状態の人において痛みの改善に効果がみられた。
●結論 糖尿病性神経障害の痛みのコントロールに対して,desipramineはamitriptylineの代替薬となりうるが,fluoxetineには鎮痛効果がみられない。