編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Reichard P, Nilsson BY, Rosenqvist U: The effect of long-term intensified insulin treatment on the development of microvascular complications of diabetes mellitus. N Engl J Med 1993; 329: 304-309. [PubMed]

細小血管症の進展は,5年間ではICT群とST群にはっきり有意差がでないものでも,今回,観察期間を7.5年に伸ばしたことにより顕著になった。これは,ベースラインでの細小血管症の進展度が比較的軽症の患者を選択したことによる。したがって,より細小血管症が進んだ段階での強化インスリン療法の適応については再検討が必要である。【犬飼浩一】

●目的 強化インスリン療法(ICT)の糖尿病性細小血管合併症の進展に対する長期的影響を,従来の標準的インスリン療法(ST)と比較検討した。
●デザイン 無作為。
●試験期間 追跡期間は7.5年。
●対象患者 102例:インスリン治療中のIDDM患者。糖尿病合併症として非増殖網膜症,クレアチニン正常値。血糖コントロール不良の患者。顕性蛋白尿のある患者は除外した。
●方法 患者をICT群(48例)とST群(54例)に割り付ける。治療期間中,眼科医による眼底検査,尿中アルブミン定量,神経伝導速度,振動覚,温度覚等による神経機能測定を定期的に行い,細小血管合併症の進展度の評価をする。
●結果 HbA1cは,ICT群が平均9.5%から7.1%に,ST群は9.4%から8.5%に改善し,ICT群のほうが良好な血糖コントロールが得られた(p=0.001)。ICT群とST群において,光凝固が必要と考えられる重篤な網膜症の出現した患者はそれぞれ27%と52%(p=0.01),腎症(アルブミン尿>200μg/分と定義)が出現した患者はそれぞれ1例と9例(p=0.01),尺骨神経伝導速度の低下はそれぞれ0.5m/秒と4.6m/秒(p=0.001)と,いずれも有意差を認め,これら糖尿病性細小血管合併症の進展は血糖コントロールのいいICT群において遅延していた。
●結論 IDDM患者における長期間の強化インスリン療法は,標準的インスリン療法と比べて,細小血管合併症の進展抑制という観点から有効である。