編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Pijls LT, de Vries H, Donker AJ, van Eijk JT: The effect of protein restriction on albuminuria in patients with type 2 diabetes mellitus: a randomized trial. Nephrol Dial Transplant 1999; 14: 1445-1453. [PubMed]

腎障害が軽度の糖尿病患者における蛋白制限食の有効性は報告されているが,1型糖尿病を対象としたものがほとんどである。本試験は2型糖尿病患者における長期の蛋白制限食の影響について検討しており,腎症の症状のない患者においても早期に介入することにより腎症の進展予防が可能であることが示された。【長濱 玲】

●目的 2型糖尿病患者の蛋白制限食が腎機能障害発症の遅延をもたらすかどうかを評価。蛋白制限食開始6ヵ月後および12ヵ月後に1日微量アルブミン尿を比較。
●デザイン 無作為,dose-response解析。
●試験期間 追跡期間は12ヵ月。
●対象患者 121例:79歳以下で微量アルブミン尿のある2型糖尿病患者,または罹患年数が5年以上の2型糖尿病患者。試験群は男性39例・女性19例,対照群は男性35例・女性28例。
除外基準:重症疾患から回復期の患者,蛋白喪失性腸炎,四肢静脈潰瘍,悪性疾患,精神疾患。
●方法 カウンセリングにて蛋白制限食と日常の食事を指導。指導前と6ヵ月・12ヵ月後の24時間のアルブミン尿・血圧・クレアチニンクリアランスを比較。
●結果 6ヵ月後の試験群と対照群の変化はそれぞれ蛋白摂取量-0.05±0.21,+0.03±0.19g/kg(p=0.02),アルブミン尿-14%,+11%(p=0.01)であった。試験群は対照群と比べてアルブミン尿が6ヵ月後28%(p<0.001),12ヵ月後18%(p=0.08)低下した。12ヵ月後には蛋白摂取量およびアルブミン尿の両群間の差は減少していた。正常尿と微量アルブミン尿の患者への影響は変わりなかった。試験群では血圧,HbA1c,体重の低下を認めた。dose-response解析において,蛋白摂取量6ヵ月後の-0.10g/kgの変化は11.1%のアルブミン尿の変化と関係があった。6ヵ月,12ヵ月あわせた結果では9.1%の変化が示唆された。
●結論 アルブミン尿陰性または微量アルブミン尿陽性の2型糖尿病患者において,蛋白制限(特に動物性蛋白制限)が微量アルブミン尿に良い影響を与える可能性がある。