編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Early Treatment Diabetic Retinopathy Study Research Group. Fundus photographic risk factors for progression of diabetic retinopathy. ETDRS report number 12. Ophthalmology 1991; 98: 823-833. [PubMed]

ETDRS 12でわかったことはIRMA,網膜出血と毛細血管瘤,静脈の数珠状拡張がPDRへの進展の重要なリスク因子で,以前から重要と考えられていた軟性白斑はそれほど重要なリスク因子ではないということであろう。また網膜症の病期分類はやや複雑で,実際の臨床上の分類手段としては不向きだが,今後の網膜症の研究ではスタンダードになるかもしれない。一方,ETDRSの不備な点は,硝子体の状態を全く考慮に入れていないことである。完全後部硝子体剥離が存在する眼では増殖性変化がほぼ100%起こらないことは,現在では広く認識されるようになってきた。また後部硝子体未剥離や部分後部硝子体剥離は増殖性変化の足場となり,重要なリスク因子である。硝子体の状態を考慮に入れれば,PDRへの進展のリスク因子をより正確に把握できるようになると思われる。【梯 彰弘】

●目的 ETDRSの症例で光凝固延期に割り付けられた眼において,糖尿病網膜症の自然経過を観察し,増殖糖尿病網膜症(PDR)への進展のリスク因子と糖尿病網膜症の病期分類を検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 追跡期間は5年(ベースライン,1年後,3年後,5年後)。
●対象患者 2795例:ETDRSの症例[下部NOTE参照]のうち,初期3年間に登録され,1年後の等級づけが終了し,光凝固延期に割り付けられた非増殖糖尿病網膜症(NPDR)1959例と,その後登録された同様のNPDR 836例。
●方法 1年後,3年後,5年後にPDRに進展した症例の眼底写真を,それらのベースライン時の眼底写真と比較検討し,暫定的スケールを評価,改善した。最終スケールを使用して,PDRへの進展率を最初の1959例と後の836例とで比較検討した。
●結果 網膜内細小血管異常(IRMA),網膜出血と毛細血管瘤,静脈の数珠状拡張がPDRへの進展の重要なリスク因子であった。軟性白斑はそれほど重要なリスク因子ではなかった。今回の検討により網膜症の病期分類は13等級に分類された。
●結論 網膜症の認められない病期から重症な硝子体出血に至るまでの13段階の病期分類は,すべての段階の網膜症の重症度と予後の評価に使用することができる。