編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Early Treatment Diabetic Retinopathy Study Research Group. Fluorescein angiographic risk factors for progression of diabetic retinopathy. ETDRS report number 13. Ophthalmology 1991; 98: 834-840. [PubMed]

ETDRS 11とこのETDRS 13は蛍光眼底造影検査所見について分析している。蛍光眼底造影検査は眼科的診断にはとても重要で,眼底検査では得られない情報が得られる。たとえば網膜血管床閉塞や網膜浮腫の直接の原因となる蛍光漏出(血管の透過性亢進)などである。またIRMA(網膜内細小血管異常)や血管新生が眼底検査で判定困難な場合も,蛍光眼底造影検査ではその診断は容易である。実はこのETDRS 13でのディスカッションのなかでPDRへの進展を予知するには眼底所見の結果(ETDRS 12の結果)のみで十分に判断がつき,蛍光眼底造影検査の結果はそれほど重要ではないとコメントされている。しかしこれを拡大解釈して臨床に結び付けることは危険である。眼底所見は軽度であるにもかかわらず,蛍光眼底造影検査を行うと広範囲に網膜血管床閉塞が認められる症例が確実にあり,眼底検査のみしっかり行われていれば蛍光眼底造影検査をスキップすることができる,という考えは誤りであることを肝に命じてほしい。【梯 彰弘】

●目的 ETDRSの症例の光凝固延期に割り付けられた眼において,糖尿病網膜症の自然経過を蛍光眼底造影検査で観察し,増殖糖尿病網膜症(PDR)への進展のリスク因子を検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 追跡期間は5年(ベースライン,1年後,3年後,5年後)。
●対象患者 3711例:1980年4月~1985年7月に登録された1)視力20/40以上の黄斑浮腫を認めない中等度から重度の非増殖糖尿病網膜症(NPDR),あるいは早期の増殖糖尿病網膜症(PDR),2)視力20/400以上の黄斑浮腫を認める軽度から重度のNPDR,あるいは早期のPDRを認める糖尿病患者。患者は無作為にaspirin(650mg/日)群もしくはプラセボ群に割り付けられ,いずれも片眼を早期光凝固,他眼を光凝固延期に割り付けられた。
●方法 ベースラインでの蛍光眼底造影検査所見と1年後,3年後,5年後の網膜症を比較検討し,蛍光眼底造影検査所見に基づく網膜症進行のリスク因子を検討した。
●結果 蛍光漏出(特にび漫性),網膜血管床閉塞,毛細血管拡張,さまざまな細動脈異常が網膜症の重症度とPDRへの進展に関連していた。蛍光漏出の程度は黄斑浮腫に強く関連していた。
●結論 蛍光眼底造影検査で得られたPDRへの進展のリスク因子を眼底所見に加味することで,より良くPDRへの進展を予知することができる。