編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lebovitz HE, Wiegmann TB, Cnaan A, Shahinfar S, Sica DA, Broadstone V, Schwartz SL, Mengel MC, Segal R, Versaggi JA, et al.: Renal protective effects of enalapril in hypertensive NIDDM: role of baseline albuminuria. Kidney Int Suppl 1994; 45: S150-S155. [PubMed]

高血圧の2型糖尿病患者において,ACE阻害薬はそれ以外の降圧薬に比してGFRの低下を抑制することが示された。その効果はベースラインのUAEが300mg/日以下の群でより強い。ACE阻害薬は早期腎症の時期から投与すべきである。【片山茂裕

●目的 高血圧のNIDDM患者におけるベースライン時の尿中アルブミン排泄(UAE)量が,ACE阻害薬enalaprilの腎保護効果に及ぼす影響を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は3年。
●対象患者 121例:高血圧のNIDDM患者。DBP>90mmHgまたは降圧薬服用中。
●方法 血圧・血糖は試験開始前と3ヵ月ごとに,24時間蓄尿によるUAEと糸球体濾過率(GFR)は試験前と6ヵ月ごとに測定した。患者をenalapril群(63例)と対照群(58例)に無作為に割り付け,DBPが65~80mmHgになるように,enalapril群は5mg/日(分1)から漸増(最大40mg/日)した。目標血圧に達しない場合には,α遮断薬,β遮断薬,利尿薬,Ca拮抗薬のいずれかを追加投与した。
●結果 平均血圧は,正常・微量アルブミン尿(UAE≦300mg/日)群で,enalapril群のほうが対照群に比べて5mmHg低かった。両群とも,GFRの低下率は蛋白尿(UAE>300mg/日)群で正常・微量アルブミン尿群より大であった(enalapril群:-0.53 vs. 0.20 mL/分/1.73m²/月,対照群:-0.80 vs. -0.33 mL/分/1.73m²/月)。正常・微量アルブミン尿群では,enalapril群のGFR低下率は,対照群より有意に小さかった(p=0.0044)。血圧のGFR低下率への影響は有意ではあるものの,その寄与は小さかった。正常・微量アルブミン尿から蛋白尿に進展する比率は,enalapril群で7%,対照群で21%であった。有意ではないものの,蛋白尿群の血清クレアチニン濃度は,対照群の3.45mg/dLに比べてenalapril群で2.70 mg/dLと低かった。
●結論 ACE阻害薬enalaprilによる降圧治療は,正常・微量アルブミン尿あるいは蛋白尿を示すいずれの群においても,GFRの低下率を減少させた。