編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Laffel LM, McGill JB, Gans DJ: The beneficial effect of angiotensin-converting enzyme inhibition with captopril on diabetic nephropathy in normotensive IDDM patients with microalbuminuria. North American Microalbuminuria Study Group. Am J Med 1995; 99: 497-504. [PubMed]

IDDM患者には,血糖コントロール困難な例が多い。しかし,captoprilに血糖・血圧コントロールとは独立した腎症発症予防効果が確認されたことは,QOL維持にとってきわめて重要である。【盛田俊介】

●目的 ACE阻害薬captoprilが,正常血圧IDDM患者において,微量アルブミン尿から顕性蛋白尿への進展を抑制するかを検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は24ヵ月。
●対象患者 143例:北米の26施設に通院するIDDM歴4~33年で,血圧<140/90mmHg,微量アルブミン尿(3週間の観察期間中に3回測定したアルブミン排泄量のうち,少なくとも2回が20~200μg/分である)患者。14~57歳。
除外基準:HbA1c≧11.5%。体重が理想体重の75~125%を逸脱。血清クレアチニン,カリウム値の上昇。血圧≧140/90mmHg。降圧治療中の患者。
●方法 患者をcaptopril群(50mg×2回/日)70例とプラセボ群73例に割り付け,24ヵ月にわたり,3ヵ月ごとに血圧,尿中アルブミン排泄率を,6ヵ月ごとにクレアチニンクリアランス(Ccr)を測定。この間,HbA1cが11.5%を超えない限り糖尿病治療は一定とした。2回続けて血圧が140/90mmHgを超えた場合には,prazosinもしくはclonidineにて治療した。
●結果 割付け時,2群間で性別,年齢,糖尿病歴,HbA1c,血圧,尿中アルブミン排泄率,Ccrなどに有意差を認めなかった。
24ヵ月後,captopril群の6%,プラセボ群の18.6%が顕性蛋白尿に進展し,captoprilによるリスク低下は67.8%であった。captopril群では,尿中アルブミン排泄率は3ヵ月後から改善し,24ヵ月後には42.4%に減少する一方,プラセボ群では13.5%増加した。これは,血糖コントロールには無関係であった。血圧値はcaptopril群で低下したが,血圧で補正してもリスク低下は53%であった。24ヵ月後の副作用による離脱率は,captopril群で5.7%,プラセボ群で6.8%であった。
●結論 captoprilは,微量アルブミン尿を有する正常血圧IDDM患者の顕性蛋白尿への進展を,安全かつ有効に抑制した。