編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年5月現在,1161報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Anderson JH Jr, Brunelle RL, Keohane P, Koivisto VA, Trautmann ME, Vignati L, DiMarchi R: Mealtime treatment with insulin analog improves postprandial hyperglycemia and hypoglycemia in patients with non-insulin-dependent diabetes mellitus. Multicenter Insulin Lispro Study Group. Arch Intern Med 1997; 157: 1249-1255. [PubMed]

-

●目的 NIDDM患者にinsulin lisproもしくはヒトレギュラーインスリンを食前投与し,食後高血糖や低血糖発作に対する効果を比較した。
●デザイン 無作為,オープン,クロスオーバー,多施設。
●試験期間 追跡期間は6ヵ月。
●対象患者 722例:NIDDM患者。35~85歳。ヒトインスリン療法を少なくとも2ヵ月受けている者。
除外基準:インスリン投与量>2.0U/kg,BMI>35kg/m²。
●方法 最初の3ヵ月間insulin lispro(食直前)を投与し,次の3ヵ月間ヒトレギュラーインスリン(食前30~45分)を投与する群と,その逆に投与する群のいずれかに患者を割り付けた。また代謝上の必要や食生活のパターンに応じて基礎インスリンを1日1回(夕食前または就寝前)または2回(朝食前+夕食前または就寝前)投与した。目標血糖値は,食前で7.8mmol/L(140mg/dL)以下,食後2時間で10mmol/L(180mg/dL)以下とした。
●結果 食後血清グルコース値の上昇は,全試験期間で,insulin lisproのほうがヒトレギュラーインスリンより有意に少なかった。食後1時間の血清グルコース値は,insulin lisproのほうが30%低く(insulin lispro vs. ヒトレギュラーインスリン;2.6±0.1 vs. 3.7±0.1mmol/L),2時間後では53%低かった(1.4±0.1 vs. 3.0±0.1mmol/L)(p<0.01)。ヒトレギュラーインスリンと比較すると,insulin lispro治療中の低血糖発作率は全日(p=0.01)でも夜間(p<0.001)でも低く,無症候性低血糖の発作も少なかった(p=0.03)。インスリン1日投与量がどちらも同様に13%(p<0.001)増加し,HbA1c値も両群で同様に低下した(p<0.001)。血清脂肪やリポ蛋白値は変化しなかった。両群の有害事象に差はなかった。
●結論 NIDDM患者では,ヒトレギュラーインスリンと比較するとinsulin lisproの食直前投与のほうが食後高血糖を減らし,軽度な低血糖発作の発生率を減らすと考えられる。