編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Crepaldi G, Carta Q, Deferrari G, Mangili R, Navalesi R, Santeusanio F, Spalluto A, Vanasia A, Villa GM, Nosadini R: Effects of lisinopril and nifedipine on the progression to overt albuminuria in IDDM patients with incipient nephropathy and normal blood pressure. The Microalbuminuria Study Group in IDDM. Diabetes Care 1998; 21: 104-110. [PubMed]

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●目的 初期腎症で正常血圧のIDDM患者における微量アルブミン尿(MA)から顕性蛋白尿への進展に対するACE阻害薬lisinoprilとCa拮抗薬nifedipineの効果を検討した。一次エンドポイントはMAから蛋白尿への累積移行,二次エンドポイントはアルブミン排泄率(AER)のベースライン値から50%の増加。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は3年。
●対象患者 92例:正常血圧(115≦SBP≦140mmHg,75≦DBP≦90mmHg)のIDDM患者(発症35歳以前)。18~65歳。発症3年以内にインスリン治療開始。HbA1c<11%。AER中央値20~200μg/分。糸球体濾過率≧80mL/分/1.73m²。
除外基準:血清クレアチニン値が正常上限より10%高い。AER中央値>200μg/分。
●方法 患者をlisinopril群32例,nifedipine群26例,プラセボ群34例に割付け。インスリンは通常量投与した。
●結果 プラセボ群7例(20.6%),lisinopril群2例(6.3%),nifedipine群2例(7.7%)が顕性蛋白尿に進展した(Fisher's exact test,p<0.03)。蛋白尿への進展リスクをプラセボ群と比較すると,lisinopril群で49.1%(95%CI 26.8-63.4%,p<0.03),nifedipine群で41.4%(22.1-64.3%,p<0.05)低下した。AER ベースライン値は,進展者が71μg/分,非進展者が73μg/分。AERが1年間でベースライン値の50%以上増加した割合は,lisinopril群で有意に低かった(13例[40.6%],p<0.02)が,nifedipine群では有意(15例[57.7%])ではなかった。SBPもlisinopril群で有意に低下した(対nifedipine p<0.05,対プラセボ p<0.01)。DBPも有意ではないがlisinopril群でほかの群よりも低下した。
●結論 MAのある正常血圧IDDM患者において,lisinoprilとnifedipineはいずれもマクロアルブミン尿の発症を効果的に遅延させた。顕性蛋白尿では末期腎不全がかなり予測されることから,両剤ともMAのある正常血圧IDDM患者の合併症を予防するには有用であるが,lisinoprilのほうがその作用がより強力であると思われる。