編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Riddle MC, Schneider J: Beginning insulin treatment of obese patients with evening 70/30 insulin plus glimepiride versus insulin alone. Glimepiride Combination Group. Diabetes Care 1998; 21: 1052-1057. [PubMed]

最大用量のSU投与下でも血糖コントロールが不良な場合,通常は混合型インスリンの2回打ちへ切り替える。本試験では,SUを継続したまま,混合型インスリンの夕食前の1回打ちで血糖コントロールがより早期に改善し,インスリン投与量も少なくてすむことが示された。インスリン導入時に考慮してもよい方法である。【片山茂裕

●目的 スルホニル尿素(SU)glimepiride単独療法で血糖コントロール不良の肥満の2型糖尿病患者において,夕食前70/30インスリン(NPHインスリン70%/レギュラーインスリン30%)にglimepirideを継続投与する療法とインスリン単独療法を比較検討した。
主要アウトカムは空腹時血糖(FPG)値,HbA1c値,インスリン投与量,体重,血漿インスリン値,血清脂質値,有害事象。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル,多施設。
●試験期間 治療期間は24週。
●対象患者 208例:SU療法で6ヵ月以上の良好な血糖コントロールが得られたが,のちに最大用量の投与下でもコントロール不良となった2型糖尿病患者。45~70歳。理想体重の130~170%。女性の場合,閉経後,子宮摘出術または他の処置による不妊,適切な避妊の実施。
除外基準:妊娠または授乳中。糖尿病罹病期間>15年。ケトアシドーシス,自己免疫疾患,糖尿病以外の重度全身疾患の既往。SUアレルギーまたは不耐症。グルココルチコイド,phenytoin,ニコチン酸,交感神経作動薬,phenothiazine,isoniazidの服用。血清クレアチニンまたは血清アラニンアミノトランスフェラーゼ>正常上限の1.5倍。空腹時血清Cペプチド<0.1ng/mL。
●方法 オープン期間(8週):試験前の血糖降下療法を中止し,glimepiride 8mg/日(朝食前)を投与。FPG測定(週1回)で>150mg/dLの場合,12mg/日(分1),16mg/日(分1),16mg/日(分2:朝食および夕食前)に増量。
無作為化期間(24週):8週後のFPG値が180~300mg/dLの145例を,プラセボ+70/30インスリン(PI)群(73例)とglimepiride+70/30インスリン(GI)群(72例)に無作為化。プラセボとglimepiride 16mg/日(分2)は朝食および夕食前に投与。70/30インスリンは夕食30分前に投与し,最初の2週は10U/日,その後2日連続で空腹時毛細血管ブドウ糖(FBG)値≦140mg/dLとなるまで10U増量(週1回),さらに2日連続でFBG値≦120mg/dL(=FPG値140mg/dL)となるまで5U増量(週1回)した。FBG値が100~120mg/dLに安定したらその用量を維持。低血糖症状を認めた場合は減量を許可。
インスリン投与量,体重,バイタルサイン,FPG値,HbA1c値をベースライン時,2週後,4週後,その後4週ごとに評価。空腹時血漿インスリン値,血清Cペプチド値,リポ蛋白値をベースライン時と試験終了時に測定。
●結果 脱落例はPI群に比してGI群で有意に少なかった(15 vs. 3%,p<0.01)。
ベースライン時のFPG値(261 vs. 250mg/dL)およびHbA1c値(9.9 vs. 9.7%)は同等であった。24週後には両群とも目標FPG値(≦140mg/dL)に達し(136 vs. 138mg/dL),HbA1c値(7.7 vs. 7.6%)は同等であった。しかし,GI群ではより早期に血糖コントロールの改善が得られ(2週および4週後のFPG値;p<0.001),エンドポイント時のインスリン投与量は有意に少なかった(78 vs. 49U/日,p<0.001)。
主要アウトカムについては,両群でほぼ同等であった。最も多く認められた有害事象は低血糖症状であったが,重度例は両群ともみられなかった。
●結論 glimepiride単独療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者では,夕食前70/30インスリン投与により血糖コントロールが改善した。glimepirideを継続投与した例ではより早期に改善が得られ,インスリン投与量も少なかった。