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Sasaki A, Horiuchi N, Hasegawa K, Uehara M: Mortality and causes of death in type 2 diabetic patients. A long-term follow-up study in Osaka District, Japan. Diabetes Res Clin Pract 1989; 7: 33-40. [PubMed]

このスタディの死亡率とリスク因子は欧米諸国のものと類似していたが,その死亡原因に違いがあった。日本と欧米諸国間における糖尿病患者の臨床的特徴の違いとして,日本では2型糖尿病患者の死亡原因として腎症の発症頻度が高く,特に低年齢層での発症が多かった。【崔 正福】

●目的 日本の2型糖尿病患者の死亡率とその関連リスク因子,死亡原因を検討した。
●デザイン 疫学,前向き,ロジスティック回帰分析。
●試験期間 追跡期間は平均9.4年。登録期間は1960~79年。追跡調査は1984年まで。
●対象患者 大阪地区の2型糖尿病患者1939例(男性1200,女性739)。平均年齢:男性51.9±0.3歳,女性54.3±0.4歳。平均罹病期間3.4±0.1年。空腹時血糖≧140mg/dL,あるいは50g OGTT 2時間値≧180mg/dLの者。
●方法 登録時に性別,年齢,罹病期間,喫煙の有無を記録し,50g OGTT,血清コレステロール・中性脂肪,蛋白尿(含アルブミン尿),血圧,肥満度,網膜症の有無,心電図等を測定。病院記録,アンケート,社会記録,電話のほか,可能な方法を利用し,調査開始時より対象患者の状況(生存か,死亡か)について年に1回,組織的に追跡調査を実施。
●結果 人口1000人に対する年間死亡率は,男性が31.35,女性が21.99であり,予測死亡数に対する観察比は男性が1.69,女性が1.74であった。対象患者の予後増悪に関係するリスク因子としては,発症年齢,心電図上の虚血性変化,このスタディ登録時の年齢,空腹時血糖高値,肥満指数低値,高血圧,糖尿病網膜症,そしてアルブミン尿と相関を示した。またインスリン治療も予後増悪と関係していた。死亡原因は,心疾患19.5%,脳血管疾患16.7%,腎症13.1%で脳心血管疾患と腎症が糖尿病患者における主な死亡原因(50.5%)であったが,悪性新生物25%(肝癌が最も高頻度),肝硬変も6.4%と有意に高値であった。
●結論 一般人口と比較して男女とも糖尿病患者は高い死亡率を示し,死亡率は女性よりも男性が高かった。また脳心血管疾患と腎症は,糖尿病患者における主な死亡原因であった。