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Sasaki A, Horiuchi N, Hasegawa K, Uehara M: The proportion of death certificates of diabetic patients that mentioned diabetes in Osaka District, Japan. Diabetes Res Clin Pract 1993; 20: 241-246. [PubMed]

今回のスタディで糖尿病患者の実際の死亡数は,統計上の記録の6.42倍いることが予想された。これによると,1988年の国際死亡率統計では糖尿病による死亡数は9647例だが,実際には61900例いることになり,それは日本の死亡原因として,悪性新生物,心血管,脳血管障害に続き4番目に大きい。このことは,糖尿病の罹患率に関しても検討が必要であることを示唆している。【久保清香】

●目的 死亡診断書に記載された2型糖尿病患者の死因の正確さを調査した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 追跡期間は平均9.4年。
●対象患者 503例:1960~84年に大阪成人病センターで追跡調査した2型糖尿病患者(空腹時血糖≧140mg/dL,または50g OGTT 2時間値≧180mg/dL)1939例中,追跡期間中に死亡した例。
●方法 死亡診断書に記載された死因を,The 8th International Classification of Causes of Deathにより分類した。
●結果 503例の死亡率は1000人・年あたり男性31.35,女性21.99。503例中,死亡診断書に糖尿病の記載があったのは213例(42.4%)と半分以下で,男性で39.5%,女性で48.7%とやや女性のほうが高かった。死因別に糖尿病と記載のあるものをみると,悪性新生物が134例中25例(18.7%)と低いが,脳心血管および腎疾患では54.7%(心疾患46.9%,脳血管疾患40.5%,腎疾患81.8%)であった。また糖尿病と記載されている診断書の割合を死亡年度や,死亡時の年齢でも分析したが,有意差はみられなかった。
空腹時血糖,治療法との関連も調べた。空腹時血糖200mg/dL未満で37.8%に対し,200mg/dL以上で54.4%と空腹時血糖が高いほうが,糖尿病と記載されている診断書の割合は高かった。治療法では,食事療法のみの群で24.1%,経口血糖降下薬群で51.4%,インスリン治療群で60.7%と有意差を認めた。つまり糖尿病と記載されている診断書の割合は,合併症や糖尿病の重症度と関係があることがわかった。以上より,実際の死亡糖尿病患者数は統計上記録されているよりも6.42倍存在することが予想された。
●結論 死亡した糖尿病患者において,実際に死亡診断書に糖尿病と記載されている割合は,悪性新生物など,より重症な疾患を合併していると低く,また糖尿病自体が重症なほど高いことがわかった。