編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sasaki A, Uehara M, Horiuchi N, Hasegawa K, Shimizu T: A 15 year follow-up study of patients with non-insulin dependent diabetes mellitus (NIDDM) in Osaka, Japan. Long-term prognosis and causes of death. Diabetes Res Clin Pract 1996; 34: 47-55. [PubMed]

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●目的 大阪地区のNIDDM患者の自然経過を15年間追跡し,死亡率と死因の変化を調査した。
●デザイン 疫学,前向き。
●試験期間 追跡期間は15年(平均14.9±6.6年)。1960~1979年に登録し,1993年まで追跡。
●対象患者 NIDDM患者1939例(男性1200例,女性739例)。空腹時血糖値≧140mg/dL,または50g OGTT 2時間値≧180mg/dL。
●方法 死亡が確認された患者の死亡診断書を入手し,医療記録をもとに死因を協議。国際疾患分類(ICD 8)に基づいて死因を記録した。
●結果 1993年末には1000例(51.5%)が生存,880例(45.4%)が死亡,59例(3.0%)が追跡不能であった。死亡率は1960~1984年では29例/1000人・年,1985~1993年では36例/1000人・年と増加した。登録時のO/E(本調査の死亡数/一般推定死亡数)比は1.65と高く,1960~1984年は1.77,1985~1993年は1.52と減少した(登録時に65歳を超える患者では逆に増加)。これは,糖尿病の予後が改善されたことを示す。主な死因は脳・心血管疾患と腎疾患で,あわせて48.4%を占める。心疾患は全死亡の20.5%,脳血管疾患は14.5%,腎疾患は12.0%であった。悪性腫瘍は全体の26.6%で,その中では肝臓癌が特に多かった。O/E比は腎疾患で11.30と高く,悪性腫瘍で1.48,肝臓癌で3.02,膵臓癌で2.15となった。登録時65歳未満の患者では全死亡のO/E比が2期間(1960~1984年,1985~1993年)の比較で有意に減少したが,虚血性心疾患のO/E比のみ,大きな差はなかった。一方,登録時65歳以上の患者では,全死亡のO/E比が1985~1993年で著明に増加したが,腎疾患のみ著明に減少した。
●結論 日本人NIDDM患者は近年,死因が構造的に変化してきており,虚血性心疾患が相対的に増加し,腎疾患が相対的に減少している。