編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ohmura T, Ueda K, Kiyohara Y, Kato I, Iwamoto H, Nakayama K, Nomiyama K, Ohmori S, Yoshitake T, Shinkawa A, et al.: The association of the insulin resistance syndrome with impaired glucose tolerance and NIDDM in the Japanese general population: the Hisayama study. Diabetologia 1994; 37: 897-904. [PubMed]

久山町研究で行われた,日本人でのインスリン抵抗性症候群と耐糖能異常についての検討。インスリン抵抗性と耐糖能異常の関連が示されたが,インスリン抵抗性が一次的なものかどうかは不明である。【高田伸樹・安田浩子】

●目的 日本人において耐糖能低下を引き起こすリスク因子を明らかにするため,特にインスリン抵抗性症候群に関連した因子について検討した。
●デザイン 疫学。
●試験期間 1988年6月29日~同年11月14日。
●対象患者 2587人:40~79歳の福岡県久山町住民3227人のうち同意が得られた者。
●方法 75g OGTTを実施し,WHO診断基準(1985年)により正常耐糖能(NGT),耐糖能異常(IGT),NIDDM(DM)に分類。また,問診によっても糖尿病の有無を聴取。その他,身体測定(身長,体重,肩甲骨下角部および上腕三頭筋部皮脂厚,ウェストヒップ比;WHR),血圧,一般生化学検査,喫煙,飲酒,糖尿病の家族歴などについても検討。
●結果 NGT群で空腹時および糖負荷後2時間のインスリン値の和(インスリン和)は,トリグリセリド(TG),BMI,WHR,SBPおよびDBPと正相関し,HDL-Cと負の相関をしていた(p<0.05)。年齢補正したIGT群全年齢でインスリン和はTG,BMI,WHR,血圧と有意な相関を示した(p<0.05)。DM群の一部の性,年齢でも同様の相関を示した。さらにNGT群をインスリン和により3群に分け検討を行ったところ,高インスリン群でそのインスリン値はIGT群やDM群のそれとほぼ等しい値であった。また,NGT高インスリン群では他のNGT群に比し,TG,WHR,BMI,血圧は高い傾向にあり,それはIGT群やDM群に近い値であった。
●結論 インスリン抵抗性は日本人耐糖能異常の進展の一次的な原因であるという仮説を裏づけるデータが得られたが,仮説を確固なものとするにはさらなるプロスペクティブスタディが必要である。