編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Feskens EJ, Tuomilehto J, Stengard JH, Pekkanen J, Nissinen A, Kromhout D: Hypertension and overweight associated with hyperinsulinaemia and glucose tolerance: a longitudinal study of the Finnish and Dutch cohorts of the Seven Countries Study. Diabetologia 1995; 38: 839-847. [PubMed]

multiple risk factor syndromeの構成要素であるIGT,インスリン抵抗性(実際にみているのは高インスリン血症)と高血圧の関連性をみたスタディである。デザイン上,対象者は解析時に70歳以上の健在者であり,また検討も後ろ向きである。このため,IGT,高インスリン血症が高血圧と合併した結果,生命予後に影響するかどうか,また高血圧がIGT,高インスリン血症に本当に先行するかどうかは,前向きにデザインされたスタディの結果を待つ必要がある。【川角正彦】

●目的 耐糖能異常の有無,空腹時高インスリン血症の有無が高血圧,肥満と関連するかどうかを解析した。
●デザイン 疫学,cross-sectional,後ろ向き,多施設。
●試験期間 1989/1990年時点で解析(過去の血圧,BMI等のデータは1959年より存在)。
●対象患者 619例:Seven Countries Study(1959年開始)におけるフィンランドとオランダの集団。1989/1990年時点での生存者。70~89歳。男性。薬物治療中の糖尿病(DM)患者は,高インスリン血症における分析から除外した。
●方法 Seven Countries Study 30年目のフォローアップ(1989/1990年)時に病歴聴取,75g OGTT,空腹時血清インスリン値を測定。WHOの基準で糖尿病,耐糖能異常(IGT),正常耐糖能(NGT)に分類。高インスリン血症は9.2mU/L以上とした。これらの群においてBMI,血圧との関連性をcross-sectionalに分析。また過去30年間のデータをさかのぼって検討した。
●結果 DM,IGTはNGTに比べ有意に高血圧の頻度が高かった(収縮期高血圧)。これは年齢,集団,BMIとは独立していた。オッズ比はDMで2.18(95%CI 1.40-3.38),IGTで2.33(1.51-3.58)。この傾向は30年前から一貫して存在した。高インスリン血症は,正インスリン血症に比べ,BMIが高かった。この傾向も30年前より存在した。また,高インスリン血症では高血圧の頻度が高かった。これは年齢,集団,BMIとは独立し,オッズ比は1.66(1.14-2.41)だった。しかし,高インスリン血症の血圧が有意に正インスリン血症の血圧を上回るのは30年目のフォローアップ時のみであった。
●結論 高血圧はIGT,インスリン抵抗性と関連した。IGTのある者は,その診断以前より血圧が高い傾向があった。高インスリン血症では,診断以前には高血圧傾向を認めなかった。したがって,IGTと高血圧の関連は,高インスリン血症と高血圧の関連よりも強いものと思われた。