編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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The Microalbuminuria Captopril Study Group.: Captopril reduces the risk of nephropathy in IDDM patients with microalbuminuria. Diabetologia 1996; 39: 587-593. [PubMed]

最近でこそ,IDDM腎症にACE阻害薬を使用することはよく知られているが,論文が発表された当時は注目を浴びた。血圧の改善とは一部無関係にアルブミン排泄を改善し,ACE阻害薬の臓器保護作用が確認された。【盛田俊介】

●目的 ACE阻害薬captoprilの,微量アルブミン尿を伴うIDDM患者における腎症への発症抑制効果を,顕性アルブミン尿への移行をもって判定した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 追跡期間は24ヵ月。
●対象患者 235例:糖尿病センターを有する38施設(欧11,米25,亜1,加1)の外来患者。39歳以前にIDDMを発症し,尿中アルブミン排泄率(AER)20~200μg/分,血圧は35歳未満で145/90mmHg以下,35歳以上なら160/95mmHg以下の患者。
除外基準:降圧薬,NSAIDs(非ステロイド抗炎症薬),アルドース還元酵素阻害薬服薬患者。インスリン120単位/日以上使用患者。ブリットル型糖尿病,高カリウム血症,血清クレアチニン値上昇患者。
●方法 4週間の観察期間の後,235例の患者をcaptopril(C)群(50mg×2回/日)116例,プラセボ(P)群119例に割付け。3ヵ月ごとに血圧,HbA1c,AERを,6ヵ月ごとにクレアチニンクリアランス(Ccr)を測定。高血圧を途中発症した患者には,β遮断薬,利尿薬,血管拡張薬を順次投与し,血圧を維持した。
●結果 ベースラインで2群間には,年齢,性,肥満度,糖尿病罹病期間,HbA1c,血圧,Ccr,AERなどの差を認めなかった。
24ヵ月後,P群の21.9%が顕性アルブミン尿に移行したが,C群は7.2%にすぎなかった。リスク低下はC群で69.2%であり,糖尿病罹病期間,HbA1c,血圧,Ccr,AER等で補正した後もほぼ同様であった。24ヵ月中,AERは試験開始3ヵ月後からC群で有意に低下する一方,Ccrは試験開始18ヵ月後からP群で有意に増加した。AERの低下は血圧とコレステロール値の低下と相関したが,相関係数はそれぞれ0.19,0.25であり,弱い相関であった。
●結論 captoprilは降圧効果とは別に,IDDM患者の腎症発症を抑制した。