編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Steed DL: Clinical evaluation of recombinant human platelet-derived growth factor for the treatment of lower extremity diabetic ulcers. Diabetic Ulcer Study Group. J Vasc Surg 1995; 21: 71-81. [PubMed]

rhPDGF-BBといった成長因子は,線維芽細胞や血管内皮細胞の増殖を促進することにより,創傷治癒の効果があると考えられ,褥創治療などでもその効果が明らかとなっている。難治性糖尿病性潰瘍において,その効果がはっきりと認められたこのスタディは有意義なものと言えるが,rhPDGF-BBで治療された患者でも40%以上がデブリドメントを必要としたことを考えると,治療施設での十分なケアが欠かせない。【犬飼浩一】

●目的 糖尿病性慢性下腿潰瘍に対する,組み換えヒト血小板由来成長因子(rhPDGF-BB)の効果と安全性を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 潰瘍が完全に消失するか,20週が経過するまで。
●対象患者 118例:19歳以上。少なくとも8週以上の糖尿病性慢性下腿潰瘍(1~100cm²)がある患者。感染や壊疽があった場合は,外科的処置あるいはデブリドメントによって登録前に取り除いておく。
除外基準:経皮酸素分圧30mmHg未満の血管性潰瘍と思われる症例。その他,糖尿病性以外の原因によると思われる潰瘍。
●方法 rhPDGF-BB群(61例)は,2.2μg/cm²/日の割合で,ゲル状のrhPDGFを潰瘍部分に局所的に投与する。プラセボ群(57例)にはプラセボゲルを同様に投与。治療期間中,必要と思われた時にデブリドメントをする以外は,他の潰瘍治療薬や血管拡張薬を使用しない。
●結果 治療開始後6週より完治率に差が出始め,20週後,潰瘍が完全消失した患者はプラセボ群で25%であったのに対し,rhPDGF-BB群では48%と有意であった(p=0.01)。また,潰瘍の大きさの退縮率中央値も,プラセボ群が82.1%,rhPDGF-BB群では98.8%であった(p=0.09)。デブリドメントの頻度は両群間で有意差なく,また,PDGF-BB投与による副作用も特に認められなかった。
●結論 糖尿病性慢性下腿潰瘍の治療にrhPDGF-BBの局所療法は有効であることが示された。