編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Albers JW, Brown MB, Sima AA, Greene DA: Frequency of median mononeuropathy in patients with mild diabetic neuropathy in the early diabetes intervention trial (EDIT). Tolrestat Study Group For Edit (Early Diabetes Intervention Trial). Muscle Nerve 1996; 19: 140-146. [PubMed]

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●目的 Tolrestat studyに参加した1型・2型糖尿病患者における正中神経障害(MM)発症頻度を電気生理学的に調査し,MMの相対リスクと,手根管症候群(CTS)発症リスク増加因子との関係を検討した。
●デザイン Tolrestat study:無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
●試験期間 -
●対象患者 414例:軽度糖尿病性神経障害患者。アルドース還元酵素阻害薬tolrestatの試験への参加者のうち糖尿病性神経障害基準(症候・症状,電気生理学的検査,定量感覚テストなど)の異常が2つ以上ある遠位対称性感覚運動単神経障害。手根非優性(non-dominant)。
除外基準:グリコヘモグロビン<6.7%,糖尿病以外の神経障害を起こす全身性疾患,家族性神経障害,軽度CTS以外の単神経障害,重度の神経障害,足親指での振動感覚閾値の実質的上昇,腓腹および腓骨反応のない患者。
●方法 身長,体重,BMIほか特性を調べ,優性腓骨,非優性正中神経運動感覚,両側腓腹反応について神経伝導を測定した。正中運動開始潜伏時間および逆方向感覚ピーク潜伏時間を計測し,前者が>4.4または後者が>3.8の場合は,逆方向尺骨感覚ピーク潜伏時間を計測した。
●結果 414例中95例(23%)がMMと診断された。発症率は糖尿病のタイプとは関連しなかった。MM患者は非MM患者よりも糖尿病歴が長く,年齢との相関はなかった。MMと2型糖尿病のある患者は女性が多く(34 vs. 19%,p=0.008),非MMで2型の患者に比べて身長が低く(165.7 vs. 172.7cm,p=0.001),BMIが高かった(32.5 vs. 29.1,p=0.0008)。腓腹および腓骨伝導異常はMM罹患率に影響は与えなかった。またMM患者のほうが,正中神経感覚振幅が有意に低く,どちらの型でもF波潜伏時間が有意に長く,正中神経運動伝導速度が有意に遅く,正中神経遠位潜伏時間が有意に長かった。
●結論 糖尿病性神経障害ではCTSとMMが両方存在する場合,従来の診断法では識別が難しい。糖尿病性神経障害患者では,CTS疑いを評価する際,十分に考察する必要がある。