編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年11月現在,1127報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Melidonis A, Dimopoulos V, Lempidakis E, Hatzissavas J, Kouvaras G, Stefanidis A, Foussas S: Angiographic study of coronary artery disease in diabetic patients in comparison with nondiabetic patients. Angiology 1999; 50: 997-1006. [PubMed]

-

●目的 冠動脈疾患(CAD)を有する糖尿病患者において,血管造影によりCADの分布,性別によるCADの違い,冠動脈サイズを調査した。
●デザイン -
●試験期間 -
●対象患者 A群463例(男女の糖尿病患者で血管造影により明らかなCADが見出された者。平均年齢60.3歳)とB群210例(糖尿病のない患者で血管造影により明らかなCADが見出された者。糖尿病以外のCADリスク因子がA群に対応する者。平均年齢58.5歳)。
CADの診断基準は,心外膜血管狭窄>70%,または左冠動脈の左主幹部狭窄>50%。
●方法 両群で冠動脈の内腔径,CADの位置(左前下行枝動脈,右冠動脈,左回旋枝の3つに分けて評価),左室駆出率(EF)を評価,比較。
●結果 A群ではB群に比し3枝病変の頻度が高く(47.1 vs. 27.6%,p<0.001),1枝病変の頻度が低かった(25.9 vs. 43.8%,p<0.001)。A群のCADは平均2.2血管にわたり,B群の平均1.8血管に比し広範であった(p<0.01)。A群のEFはB群に比し不良であった(p<0.01)。左前下行枝病変頻度は両群で同等であった。右冠動脈病変の頻度は,A群でB群に比し高かった(73.2 vs. 56.6%,p<0.01)。血管造影によるCADの重症度は,1および2枝病変では両群で差がなかったが,3枝病変では左前下行枝遠位部の狭窄病変がA群で有意に多かった(23.4 vs. 1.7%,p<0.05)。A群における重症度に性別による違いはなかったが,女性は男性よりもEFが良好であった(p<0.05)。A群の55歳未満の患者では,女性で男性に比し1枝病変の頻度が高く(p<0.01),2および3枝病変の頻度が低かった(p<0.05,p<0.01)。55歳未満の女性では,A群の平均年齢はB群より4歳低く(p<0.05),EFが低く(p<0.01),CAD発見前の心筋梗塞の発生が多かった(p<0.05)。女性ではB群でA群に比しEFの異常が多かったが(p<0.01),男性では55歳未満にのみ両群の違いがみられた(p<0.05)。冠動脈サイズに両群で差はなかった。
●結論 糖尿病患者におけるCADは,非糖尿病患者に比べ広範かつ重度である。病変の位置および血管内腔径は両者で違いがなかった。糖尿病患者における血管造影によるCADの重症度には,性別による違いはない。女性では糖尿病患者における冠動脈のアテローム変性は,非糖尿病患者より約5年進んでいる。