編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Zuanetti G, Latini R, Maggioni AP, Franzosi M, Santoro L, Tognoni G: Effect of the ACE inhibitor lisinopril on mortality in diabetic patients with acute myocardial infarction: data from the GISSI-3 study. Circulation 1997; 96: 4239-4245. [PubMed]

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●目的 急性心筋梗塞(AMI)を発症した糖尿病患者において,発症24時間以内のACE阻害薬lisinoprilおよび硝酸薬nitroglycerinの投与が,死亡率と罹患率を低下させるかどうかを検討した。一次エンドポイントは発症後6週間の全死亡率,二次エンドポイントは死亡率と後期うっ血性心不全(CHF)または左心室重度障害の組合せ。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,オープン,2×2 factorial,後ろ向き,多施設(Italy),intention-to-treat解析。
●試験期間 AMI発症24時間以内~6週間。
●対象患者 18131例(うち糖尿病歴を有する患者は2790例)。
登録基準:1)四肢誘導ST上昇≧1mm,または胸部誘導≧2mmを伴う胸痛,2)発症24時間以内にCCU(冠動脈疾患集中治療室)に搬送,3)SBP>100mmHgで血行動態が安定。
除外基準:Killip分類4,血管拡張薬による治療後も血行動態悪化のリスクが高い(SBP≦100mmHg),臨床的に関連のある腎障害(クレアチニン>2mg/dL),MI以外に重篤な症状がある。
●方法 入院中の糖尿病に関する情報を主治医から収集。lisinopril群とオープン対照群のみを比較した。
●結果 lisinopril治療により,糖尿病患者の6週間死亡率は低下した(8.7 vs. 12.4%,オッズ比[OR] 0.68,95%CI 0.53-0.86)。1000例治療して37±12名の生命が救われた計算となり,非糖尿病患者と比較して有意(p<0.025)に高かった。IDDMとNIDDMでは有意差はなかった。6週でACE阻害薬による治療を中止したにもかかわらず,生存率への効果はほとんどの患者で維持され,治療群と対照群の全死亡率は6ヵ月で12.9 vs. 16.1%(OR 0.77,95%CI 0.62-0.95)。二次エンドポイントに有意差はみられなかった。
●結論 AMIを生じた糖尿病患者にACE阻害薬lisinoprilを早期投与すると,6週間死亡率が低下すると思われる。