編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Donahue RP, Abbott RD, Reed DM, Yano K: Postchallenge glucose concentration and coronary heart disease in men of Japanese ancestry. Honolulu Heart Program. Diabetes 1987; 36: 689-692. [PubMed]

既知のどのリスク因子よりも,高血糖が冠動脈疾患に及ぼす影響は大きく,科を問わず,臨床医に課せられた血糖コントロールの責任は重大であると考えられる。【岩下乃夕】

●目的 50g糖負荷試験による1時間後血糖値と,致死性冠動脈心疾患(CHD)および非致死性心筋梗塞(MI)発症率との関係について検討した。エンドポイントは致死性CHDおよび非致死性MI発症。
●デザイン 疫学,前向き。
●試験期間 追跡期間は12年。
●対象患者 6394人:日系人を追跡調査したHonolulu Heart Program(1965~)における非糖尿病の男性。45~70歳。
除外基準:CHD患者,すでに診断済みまたは治療中の糖尿病患者,降圧薬内服中の患者。
●方法 トライアル開始時に,50g OGTTによる1時間後血糖値で6394人を5群(quintile 1:40~114mg/dL,quintile 2:115~133mg/dL,quintile 3:134~156mg/dL,quintile 4:157~189mg/dL,quintile 5:190~532mg/dL)に分類し,以下(1)~(3)を検討。
(1)1時間後血糖値と致死性CHDとの相関,および致死性CHD+非致死性MIとの相関。
(2)1時間後血糖値と各リスク因子(総コレステロール,BMI,喫煙,高血圧,左室肥大,ヘマトクリット)との相関。
(3)年齢・各リスク因子で補正しquintile 1と比較した,各quintileの致死性CHDのリスク,および致死性CHD+非致死性MI のリスク。
●結果 (1)CHDのリスクは血糖値の上昇に伴って高くなった。
(2)血糖値の上昇とBMI,高血圧,ヘマトクリットの間に相関が認められた。
(3)年齢補正した場合,quintile 1と比較してquintile 5の致死性CHDのリスクは3.0倍(95%CI 1.6-5.5),致死性CHD+非致死性MIのリスクは1.8倍(1.2-2.6)であった。また,リスク因子で補正した場合,quintile 1と比較してquintile 5の致死性CHDのリスクは2.4倍(1.3-4.6),致死性CHD+非致死性MIのリスクは1.5倍(1.1-2.1)であった。
●結論 糖負荷後の高血糖と,引き続き起こるCHDの間には,疾患進行のリスクが持続的に存在することが示された。