編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ahmad J, Siddiqui MA, Ahmad H: Effective postponement of diabetic nephropathy with enalapril in normotensive type 2 diabetic patients with microalbuminuria. Diabetes Care 1997; 20: 1576-1581. [PubMed]

正常血圧の2型糖尿病早期腎症に対してenalaprilが進展抑制効果をもつ,との報告。血糖コントロールが腎症進展抑制に最も大切であることは言うまでもないが,その困難性を考えると本剤の投与も積極的に行うべきかもしれない。【東 浩介】

●目的 正常血圧2型糖尿病患者に対するACE阻害薬enalaprilの糖尿病性腎症進展予防効果を検討した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,単盲検。
●試験期間 追跡期間は5年。
●対象患者 103例:非肥満(BMI<27kg/m²)・正常血圧(収縮期≦140mmHg,拡張期≦90mmHg)の2型糖尿病患者(罹病期間<15年)。アルブミン排泄率(AER)20~200μg/分。43~55歳。
●方法 3ヵ月の観察期間後,患者をenalapril(10mg)群52例とプラセボ群51例に無作為に割り付けた。3~4ヵ月ごとにAER,血圧,空腹時血糖,HbA1,血清クレアチニン,血中/尿中電解質,24時間蓄尿を測定し,12ヵ月ごとに糸球体濾過率(GFR),腎血漿流量(RPF),尿中尿素を測定した。経過中に血圧が上昇した患者には長時間作用型nifedipine(10~20mg×2回/日)を追加した。
●結果 5年間経過観察後,実薬群でAERは平均55±33から20±59μg/分に減少した。一方,プラセボ群では53±31から85±90μg/分に増加し,>200μg/分になったのは実薬群で4例(7.7%),プラセボ群で12例(23.5%)であった。経過中,血圧,GFR・RPF,その他電解質や血中脂質の変化はなかった。実薬群では軽度のカリウムと血漿レニン活性の上昇がみられ,ACEが阻害された結果と考えられた。
●結論 正常血圧の2型糖尿病患者において,enalaprilは血圧とは無関係に腎症発症予防効果があることが証明された。