編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tatti P, Pahor M, Byington RP, Di Mauro P, Guarisco R, Strollo G, Strollo F: Outcome results of the Fosinopril Versus Amlodipine Cardiovascular Events Randomized Trial (FACET) in patients with hypertension and NIDDM. Diabetes Care 1998; 21: 597-603. [PubMed]

fosinoprilがamlodipineに勝っていることを示した興味ある報告である。試験デザインがオープン試験であること,心血管イベントは二次エンドポイントであることには注意を要する。日本人患者に適用できるか否かは,被験者のBMIが30kg/m²を超えている高度肥満者を対象にしていること,糖尿病患者の虚血性心疾患の頻度は日本人では低いことを考慮すると,ある程度割り引いて考えるべきであろう。【景山 茂

●目的 高血圧を伴うNIDDM患者において,ACE阻害薬fosinoprilとCa拮抗薬amlodipineが血清脂質と糖尿病コントロールに及ぼす効果を比較検討した。二次アウトカムは心血管イベント。
●デザイン 無作為,オープン。
●試験期間 追跡期間は3.5年。
●対象患者 380例:高血圧を伴うNIDDM患者。3回連続してSBP>140mmHgかDBP>90mmHgの場合,あるいは2回SBP>160mmHgかDBP>95mmHgの場合を高血圧とし,治療せずに空腹時血糖>140mg/dLの場合をNIDDMとした。高血圧の罹病期間は1年未満。
除外基準:冠動脈疾患・脳卒中の既往および予後が不良な疾患。血清クレアチニン>1.5mg/dL,微量アルブミン尿>40μg/分,高脂血症用薬,aspirin,利尿薬とβ遮断薬以外の降圧薬の服用。
●方法 患者をfosinopril(20mg/日)群(189例)と,amlodipine(10mg/日)群(191例)に割付け。降圧目標値を140/90mmHg以下とし,SBP>160mmHgもしくはDBP>110mmHgの場合は20mmHg以上の降圧を目標とした。単剤で血圧がコントロールできない場合は,他剤を追加した。
●結果 両薬剤はいずれも有意にSBPとDBPを下げ,追跡期間中を通じて特にfosinoprilよりもamlodipineのほうがよりSBPを下げた。追跡終了時,総コレステロール,HDL-C,HbA1c,空腹時血糖,インスリンの測定値について,両群間に有意差は認められなかった。急性心筋梗塞,脳卒中,入院を必要とする狭心症を総合したアウトカムはfosinopril群のほうがamlodipine群よりも有意にリスクが低かった。(14 vs. 27例,ハザード比0.49,95%CI 0.26-0.95)。
●結論 fosinoprilとamlodipineは,脂質プロフィール,糖代謝の数値に有意差は認められず,いずれも空腹時血糖,インスリン,HDL-C,尿中蛋白排泄に好ましい効果をもたらすことが示唆された。また,fosinoprilはamlodipineと比較して,主要な心血管イベントのリスク低下が統計学的に有意であった。