編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Rodriguez BL, Lau N, Burchfiel CM, Abbott RD, Sharp DS, Yano K, Curb JD: Glucose intolerance and 23-year risk of coronary heart disease and total mortality: the Honolulu Heart Program. Diabetes Care 1999; 22: 1262-1265. [PubMed]

本スタディをみても,CHD発症・死亡と血中グルコース濃度との相関は明らかであり,血糖コントロールの重要性が改めて示唆された。【岩下乃夕】
試験開始時に糖尿病の診断を聞き取りだけでなく,糖負荷試験でも行っているのが特徴である。糖負荷後の血糖値によって層別化し,耐糖能障害の程度が高い集団ほど心血管疾患の発症・死亡リスクが高いことを明らかにしている。【河盛隆造

●目的 Honolulu Heart Program登録時の耐糖能低下と,その後23年間で発症した冠動脈心疾患(CHD),CHD死亡,全死亡との関連を検討した。
●デザイン 疫学,前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は23年。
●対象患者 8006人:1965年にハワイ・オアフ島在住の45~68歳の日系アメリカ人男性。
●方法 トライアル開始時に,50g糖負荷試験で1時間後血糖値を測定し,以下4群に分類し,相対リスクを解析。( )内は1時間後血糖値。
 ・low normal群(<151mg/dL):糖尿病既往の有無は無関係。
 ・high normal群(151~224mg/dL):糖尿病既往の有無は無関係。
 ・無症候性高血糖群(≧225mg/dL):糖尿病の診断は受けておらず,かつ未治療。
 ・既知の糖尿病群(≧225mg/dL):治療の有無に関係なく,糖尿病と診断をされている者。
●結果 23年の追跡で,全死亡が2166例。864例がCHD発症,384例が致死性CHDによる死亡または突然死。年齢補正後,全死亡,CHD発症,CHDによる死亡(/1000人・年)は耐糖能の悪化に伴って増加した。リスク因子(BMI,高血圧,コレステロール,トリグリセリド,喫煙,アルコール,Japanese diet index)で補正すると,low normal群に対して無症候性高血糖群のCHD発症,CHD死亡の相対リスクは,それぞれ1.50(95%CI 1.18-1.90),2.01(1.44-2.81),また既知の糖尿病群のCHD発症,CHD死亡の相対リスクは,2.26(1.80-2.84),3.49(2.56-4.75)であった。
無症候性高血糖群と既知の糖尿病群で,年齢およびリスク因子で補正した全死亡・CHD発症・CHD死亡の相対リスクが有意に高かった(p<0.05)。
●結論 中高年日系アメリカ人男性では,ベースライン時の耐糖能が低いほどその後のCHD発症,CHD死亡,全死亡のリスクが増加したが,リスクの増加は年齢およびその他の心血管疾患のリスク因子とは独立していた。