編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Heart Outcomes Prevention Evaluation Study Investigators.: Effects of ramipril on cardiovascular and microvascular outcomes in people with diabetes mellitus: results of the HOPE study and MICRO-HOPE substudy. Lancet 2000; 355: 253-259. [PubMed]

高血圧を合併しない糖尿病患者においても,ACE阻害薬は大血管症および細小血管症に対して予防効果のあることを示した。ramipril群とプラセボ群の降圧の差は収縮期,拡張期いずれも1~3 mmHg程度であるにもかかわらず,大きな予防効果を示し,ramiprilの降圧を介さない心血管障害の予防作用を示唆した。【景山 茂

●目的 糖尿病を伴う高リスク患者において,ACE阻害薬ramiprilの追加が心血管イベントのリスクを低下させるかを検討し,MICRO-HOPE substudyでは,同治療が顕性腎症のリスクに及ぼす効果を検討した。一次エンドポイントは心筋梗塞(MI),脳卒中,心血管死。二次エンドポイントは全死亡,うっ血性心不全による入院,不安定狭心症,心血管再灌流,顕性腎症の進展。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,2×2 factorial,多施設(北米,南米,欧州),intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は4.5年。
●対象患者 3577例:HOPEの登録患者9541例中の糖尿病患者(1型81例,2型3496例)。平均65.4歳。心血管疾患既往,心血管リスク因子(総コレステロール>200.7mg/dL,HDL-C≦34.7mg/dL,高血圧,微量アルブミン尿,喫煙)のある者。
除外基準:dipstick-positive蛋白尿,糖尿病腎症およびその他の重症腎疾患,うっ血性心不全,EF<40%,未管理の高血圧,4週間以内のMIあるいは脳卒中,ビタミンEあるいはACE阻害薬服用症例。
●方法 患者をramipril群(10mg/日)1808例と,プラセボ群1769例に割り付け,さらに各群でビタミンE(400IU)あるいはプラセボを投与。1ヵ月後と以降は6ヵ月ごとに追跡した。
●結果 ramiprilの有効性が明らかであったため試験は予定より半年早く終了した。ramipril群ではMI+脳卒中+心血管死の発生率が25%低下し(95%CI 12-36,p=0.0004),さらに顕性腎症の発症も24%抑制された。微量アルブミン尿から顕性腎症への進展率は20%,正常尿からの進展率は2%と,ベースラインでの微量アルブミン尿の有無にかかわらずramiprilは顕性腎症のリスクを低下させた。降圧効果はramipril群で-1.92/-3.30mmHg,プラセボ群で+0.55/-2.30mmHgであった(SBP/DBP)。
●結論 ramiprilは糖尿病患者において心血管イベントおよび顕性腎症を抑制した。心血管イベント抑制効果は降圧効果より大きかった。ramiprilによる治療は糖尿病患者における血管保護,腎保護効果を示した。