編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Barzilay JI, Kronmal RA, Bittner V, Eaker E, Evans C, Foster ED: Coronary artery disease and coronary artery bypass grafting in diabetic patients aged > or = 65 years (report from the Coronary Artery Surgery Study [CASS] Registry). Am J Cardiol 1994; 74: 334-339. [PubMed]

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●目的 CASS試験登録患者より,高齢冠動脈疾患(CAD)患者を抽出し,(1)糖尿病患者の血管造影所見を非糖尿病患者と比較し,CADの解剖学的程度を評価,(2)高齢CAD患者の心血管リスク因子について,糖尿病の影響を死亡予測因子の解析により評価,(3)高齢糖尿病患者における冠動脈バイパス術の効果について,薬物治療を受けた患者と死亡率を比較して評価した。
●デザイン CASS(無作為,多施設)の層別追跡。
●試験期間 追跡期間は平均12.8年(0~15.9年)。
●対象患者 2160例:糖尿病317例,非糖尿病1843例。CASS登録患者のうち65歳以上で,閉塞50%以上の冠動脈部位が少なくとも1ヵ所ある患者。
●方法 (1)糖尿病が関与する因子をロジスティック回帰分析により比較した。(2)生存率を糖尿病と非糖尿病患者で比較し,死亡に対する独立予測因子をCox比例ハザードモデルにより解析した。(3)外科的治療患者165例と薬物治療患者135例の生存率を比較し,外科的治療の独立予測因子を多変量解析により検討した。
●結果 (1)糖尿病患者のほうが冠動脈閉塞が多く,喫煙者が少なく,SBPが高くDBPが低く,末梢血管障害の兆候がみられ,女性が多く,digitalis使用者が多かった。(2)また,糖尿病患者の死亡率は非糖尿病患者に比べて,5年で48.5%(37.4 vs. 25.2%),10年で35.9%(60.6 vs. 44.6%),14年で20.5%(78.9 vs. 65.5%)高かった(p<0.001)。糖尿病は死亡に関する独立予測因子であり,死亡率は57.0%増加した。(3)死亡率は外科的治療患者のほうが薬物治療患者よりも,5年で44.1%(27.9 vs. 49.8%),10年で30.5%(52.5 vs. 75.5%),14年で6.9%(76.5 vs. 82.1%)低かった。外科的治療は長期転帰における有力な独立予測因子であり,手術により死亡リスクが44%低下した。これは糖尿病の有無に関係なく類似した値であった。
●結論 糖尿病は有力なCAD悪化のリスク因子であり,死亡への影響は喫煙,年齢,うっ血性心不全と同等,高血圧,左室肥大以上である。CADの予防や改善のためには糖尿病の改善が有用であることが示唆された。