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Klein BE, Moss SE, Klein R: Effect of pregnancy on progression of diabetic retinopathy. Diabetes Care 1990; 13: 34-40. [PubMed]
たとえ妊娠前の血糖コントロールが妊娠中も維持されたとしても,妊娠中に網膜症の急激な悪化が起こりうることを示した調査。妊娠中は厳しく血糖コントロールを行い,眼科的検査の回数を妊娠前より多くし,増殖網膜症へ進行する傾向があれば早めのレーザー治療が望まれる。不幸にして糖尿病性牽引性網膜剥離や重症な硝子体出血に至った場合,あるいはその危険性が高くなった場合,治療的人工妊娠中絶を勧める意見もあるが,私見としてはそのまま出産にふみきり,早期に硝子体手術を行うことをお勧めしたい。【梯 彰弘】
●目的 | 妊娠が糖尿病網膜症に及ぼす影響を調査した。 |
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●デザイン | 無作為。 |
●試験期間 | 初回検査は妊娠11.4±5.0週。2回目の検査は分娩後9.4±6.6週。非妊娠群の検査も同様のインターバル。 |
●対象患者 | 374例(妊娠群133例と非妊娠群241例):インスリン治療中の女性IDDM患者。 |
●方法 | 網膜症の重症度判定は標準7ヵ所の眼底写真に基づいて,患者を10段階に分類した(Airlie House classification)。HbA1,罹病期間,年齢,DBP,過去の妊娠回数,現在の妊娠を網膜症悪化のリスク因子として調査した。 |
●結果 | HbA1は網膜症悪化の要因であることが示された(p<0.0001)。HbA1で補正後も,非妊娠群より妊娠群で網膜症が悪化することが示された(p<0.005)。DBPは網膜症悪化に関与する傾向があった(p=0.06)。 |
●結論 | 妊娠および血糖値は網膜症の悪化に関与している。 |
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