編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Santiago JV, Snksen PH, Boulton AJ, Macleod A, Beg M, Bochenek W, Graepel GJ, Gonen B: Withdrawal of the aldose reductase inhibitor tolrestat in patients with diabetic neuropathy: effect on nerve function. The Tolrestat Study Group. J Diabetes Complications 1993; 7: 170-178. [PubMed]

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●目的 重度の糖尿病性末梢神経障害に対し,アルドース還元酵素阻害薬tolrestatを長期使用後,投薬を中止すると症状が悪化する一方,1年以上の投薬により症状の安定または改善がみられる,という仮説を検証した。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,withdrawal study。
●試験期間 追跡期間は52週間。
●対象患者 372例:平均4.2年間(3.2~5.7年)tolrestat(200または400mg/日)の投与を受けていた糖尿病性末梢神経障害患者。疼痛231例,感覚異常141例。
除外基準:肝疾患,腎機能異常,不安定心血管疾患,糖尿病性以外の末梢神経障害の患者。
●方法 患者をプラセボ群(192例),tolrestat群(180例)に割付け。症状(疼痛および感覚異常),神経伝導速度,感覚機能を評価。治療後3ヵ月以降に症状の悪化を感じた患者には,別の群の治療に切り替えることを一度のみ認めた。試験開始後4,12,24,36,52週に採血により,空腹時血糖値およびグリコヘモグロビンを測定。
●結果 プラセボ群からtolrestat群に替わった患者は36例(19%),tolrestat群からプラセボ群に替わった患者は28例(16%)で有意差はなく,症状の悪化を示すスコアは両者で同様であった。運動神経伝導速度(MNCV)は,プラセボ群でベースライン時から有意に悪化したのに対し(p<0.01),tolrestat群ではそのような変化はなかった。MNCVはプラセボ群からtolrestat群に替わった患者(36例)で有意に改善した(p<0.01)のに対し,tolrestat群からプラセボ群に替わった患者(28例)では有意に悪化した(p<0.05)。感覚機能は,手指およびつま先の両方について,tolrestat群でベースライン時に比べ有意に改善した(p<0.05)が,プラセボ群では変化はなかった。代謝コントロールについては,24週後にプラセボ群でグリコヘモグロビンが有意に低下したほかは,群間で有意差はなかった。
●結論 tolrestatによる長期治療は,中止すると糖尿病性神経障害のいくつかの指標が悪化し,継続すると指標が安定することより,糖尿病性神経障害の病原においてポリオール側副路が重要な役割を果たしていることが示唆された。