編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lonn E, Yusuf S, Dzavik V, Doris C, Yi Q, Smith S, Moore-Cox A, Bosch J, Riley W, Teo K: Effects of ramipril and vitamin E on atherosclerosis: the study to evaluate carotid ultrasound changes in patients treated with ramipril and vitamin E (SECURE). Circulation 2001; 103: 919-925. [PubMed]

HOPE studyのサブスタディとして行われたものであり,4.5年間の長期にわたるACE阻害薬による治療が頸動脈の動脈硬化の進展を抑制することを始めて示した点で重要である。プラセボ群に比較したACE阻害薬群の最大IMTの低下率は37%であり,HOPE studyでみられた32%に達した脳血管障害の低下率とほぼ同等であった。ビタミンEの効果がなかったことは,IMTの変化が小さかったために検出できなかった可能性もあるが,他の抗酸化薬との併用などを含めて,今後再検討する必要もあるだろう。【片山茂裕

●目的 心血管イベントの高リスク患者において,ACE阻害薬ramiprilおよびビタミンE長期投与のアテローム性動脈硬化に対する進展抑制効果を検討した。
一次アウトカムは頸動脈12部位における最大IMT(内膜-中膜壁肥厚)平均値の1年あたりの進展度。二次アウトカムは頸動脈12部位のうち,いずれか1部位における最大IMTの1年あたりの進展度。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,パラレル,二重盲検,多施設,3×2 factorial,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は平均4.5年。1999年7月1日追跡終了。
●対象患者 732例:血管疾患または糖尿病を有し,さらにその他の心血管リスク因子を1つ以上有する者。55歳以上。ベースライン時のBモード頸動脈超音波検査(CUS)で,あらかじめ規定された頸動脈12部位のうち,4部位以上で確実な測定値が得られた者。
除外基準:心不全,左室駆出率低下(<0.40%),心筋梗塞,過去1ヵ月以内の不安定狭心症または脳卒中の既往,ACE阻害薬またはビタミンEの服用,コントロール不能の高血圧(>160/90mmHg),顕性腎症,試験に影響を与えることが予想される重大な疾患。
●方法 3週間のrun-in期間(単盲検にてramipril 2.5mg/日を7~10日間投与後,プラセボを10~14日間投与)後,対象患者を以下のとおり無作為化。
・ramipril 10mg/日投与群(244例),2.5mg/日投与群(244例),プラセボ群(244例)
・天然ビタミンE(RRR-α-tocopheryl acetate)400IU/日投与群(368例),プラセボ群(364例)
BモードCUSをベースライン時および試験終了時(4~5年後[中央値4.5年後])に各2回,1.5~2.2年後に1回の計5回実施し,動脈硬化の進展度を評価。
●結果 本試験はHOPE試験のサブスタディとして実施された。
平均最大IMT進展の有意な予測因子は,単変量解析ではベースライン時の平均最大IMT(p=0.0002),総コレステロール(TC)高値の既往(p=0.0002),HDL-C低値の既往(p=0.008),TC値(p=0.03),LDL-C値(p=0.01),ramipril 10mg/日投与(p=0.028)であった。また,多変量解析ではベースライン時の平均最大IMT(p<0.001),脂質代謝異常の既往(p=0.005),ramipril 10mg/日投与(p=0.046)であった。
一次データ解析が可能であった693例(ベースライン時2回に加え追跡期間中に1回以上のCUSを実施)では,平均最大IMT進展度はramipril 2.5mg投与群0.0180mm/年,10mg投与群0.0137mm/年,プラセボ群0.0217mm/年で,ramipril投与群でプラセボ群に比し有意な低下が認められた(p=0.033)。また,ramipril 10mg/日投与群はプラセボ群と比較してより強い低下傾向が認められた(p=0.028)。
711例(一次データ解析可能症例693例+早期死亡例,心筋梗塞発症例,または脳卒中発症例計18例[追跡期間中にCUSが実施されず,かつ平均最大IMT進展度が全対象患者の上位10%以内])の解析でも,ramipril投与により平均最大IMT進展度は有意に低下した(p=0.019;ramipril群 vs. プラセボ群,p=0.015;ramipril 10mg/日投与群 vs. プラセボ群)。
さらに,計5回のCUSを完了した637例の解析でも同様の傾向が認められ(p=0.068;ramipril投与群 vs. プラセボ群,p=0.055;ramipril 10mg/日投与群 vs. プラセボ群),1部位における最大IMT進展度についても,ramipril投与による有意な低下効果が示された(p=0.003;ramipril投与群 vs. プラセボ群,p=0.008;ramipril 10mg/日投与群 vs. プラセボ群)。
一方,ビタミンE投与群およびプラセボ群の比較では,平均最大IMT進展度および1部位における最大IMT進展度のいずれについても,差は認められなかった。
●結論 ramipril長期投与は,動脈硬化に対する進展抑制効果を有することが示されたが,ビタミンE投与による効果は認められなかった。