編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Hasdai D, Granger CB, Srivatsa SS, Criger DA, Ellis SG, Califf RM, Topol EJ, Holmes DR: Diabetes mellitus and outcome after primary coronary angioplasty for acute myocardial infarction: lessons from the GUSTO-IIb Angioplasty Substudy. Global Use of Strategies to Open Occluded Arteries in Acute Coronary Syndromes. J Am Coll Cardiol 2000; 35: 1502-1512. [PubMed]

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●目的 急性心筋梗塞(AMI)患者に対する初回血管形成術の有効性を糖尿病例と非糖尿病例で比較し,糖尿病例において初回血管形成術と血栓溶解療法の有効性を比較検討した。
一次エンドポイントは30日後の全死亡,非致死性再梗塞,非致死性の後遺症を有する脳卒中の複合イベント。
●デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析,2×2 factorial。
●試験期間 登録期間は1994年7月5日~1996年1月1日。
●対象患者 1138例:発症後12時間以内のAMI患者。糖尿病177例,非糖尿病961例。
除外基準:脳卒中の既往,出血病変の存在,heparin禁忌,血清クレアチニン値>2.0mg/dL,SBP>200mmHgまたはDBP>110mmHg,登録時のwarfarin投与,アクセス可能な動脈がないことによる血管形成術施行不可能,妊娠の可能性,GUSTO-II登録歴。
●方法 患者を,抗凝固薬heparin群(5000Uボーラス静注後,1000U/時で3~5日静注)あるいは直接トロンビン阻害薬hirudin群(0.1mg/kgボーラス静注後,0.1mg/kg/時で3~5日静注)にランダム化し,活性化部分トロンボプラスチン時間が60~85秒となるよう調整。さらに,患者を初回血管形成術群(565例)と抗血栓薬alteplase群(573例)にランダム化。
・初回血管形成術群:血管形成術の成功(狭窄度<50%およびTIMI 3)を糖尿病の有無により検討。糖尿病99例,非糖尿病466例。
・alteplase群:15mgボーラス急速静注後,0.75mg/kgで30分間(最大50mg),その後0.50mg/kgで1時間(最大35mg)急速静注。糖尿病78例,非糖尿病495例。
・全例にaspirin投与(登録時に160mg,その後80~325mg/日)。
●結果 糖尿病例では非糖尿病例に比して,ベースライン時の臨床所見および血管造影所見が不良であった。
実際に施術された血管形成術群のうち,糖尿病例(81例)では非糖尿病例(391例)に比して,術前の狭窄はより重度で(p=0.09),原因となった動脈の開存率は不良(TIMI 0または1,p=0.12)であったにもかかわらず,血管形成術の成功率は両例で同等であった(70.4 vs. 72.4%)。
30日後のアウトカムは,非糖尿病例(補正オッズ比0.62,95%CI 0.41-0.96)および糖尿病例(0.70,0.29-1.72)のいずれにおいても,初回血管形成術群でalteplase群に比して良好であった。
糖尿病の有無と治療法には,アウトカムに関して有意な相関は認めなかった(p=0.88)。
●結論 AMI患者に対する初回血管形成術の有効性は,糖尿病例および非糖尿病例で同等であり,糖尿病例では初回血管形成術は血栓溶解療法より有効性が高かった。