編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Levin SR, Coburn JW, Abraira C, Henderson WG, Colwell JA, Emanuele NV, Nuttall FQ, Sawin CT, Comstock JP, Silbert CK: Effect of intensive glycemic control on microalbuminuria in type 2 diabetes. Veterans Affairs Cooperative Study on Glycemic Control and Complications in Type 2 Diabetes Feasibility Trial Investigators. Diabetes Care 2000; 23: 1478-1485. [PubMed]

厳格な血糖コントロール(HbA1c値7.1%)が,特に微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者では,その進展を抑制することを示した試験である。ちなみに収縮期血圧は,微量アルブミン尿を有するST群では135mmHgから2年後に142mmHgにわずかに上昇しているが,他の群では135~140mmHgにコントロールされている(拡張期血圧は80数mmHg)。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,厳格な血糖コントロールの微量アルブミン尿および臨床パラメータに対する有効性を検討した。
●デザイン 無作為。
●試験期間 追跡期間は2年。
●対象患者 153例:最大用量のスルホニル尿素(SU)またはインスリン投与によっても血糖コントロール不良の2型糖尿病男性患者。40~69歳(平均60歳)。罹病期間<15年(平均8年)。厳格な血糖コントロールが実施可能で,試験参加が不可能な心血管系またはその他の疾患のない例。
●方法 患者を,厳格な血糖コントロール(INT)群(75例)と標準治療(ST)群(78例)にランダム化。
・INT群では,HbA1c値7.1%を治療目標としてインスリン単独またはSU glipizide併用投与。ST群では,HbA1c値9.1%を治療目標としてインスリン投与。
・全例に食事,運動,禁煙指導を実施。高血圧および脂質代謝異常に関しては両群とも同等の治療目標を設定。
・ベースライン時,その後1年ごとに3時間尿サンプルを採取し,微量アルブミン尿(アルブミン・クレアチニン比[ACR]30~300mg/gCr)の発現を評価。
●結果 ベースライン時に微量アルブミン尿を認めたのは全体の38%(58例)で,INT群37%(28例),ST群38%(30例)と両群で同等であった。2年後のACRの変化はINT群45mg/gCr,ST群141mg/gCrと,INT群で微量アルブミン尿の進展が有意に抑制された(p=0.046)。ベースライン時の微量アルブミン尿の有無別にみると,INT群の微量アルブミン尿例で最も進展抑制が顕著であった。ベースライン時に微量アルブミン尿を認めた例では,両群において2年後のクレアチニンクリアランスの有意な低下がみられた(INT群p=0.0001,ST群p=0.009)。ベースライン時に微量アルブミン尿を認めなかった例では,ST群でINT群に比して大血管イベント発生率が有意に低かった(17 vs. 36%;p=0.03)。降圧薬(ACE阻害薬またはCa拮抗薬)の使用頻度は両群で同等であった。
●結論 罹病期間数年の2型糖尿病患者において,厳格な血糖コントロールは微量アルブミン尿の進展を抑制したが,糸球体機能の悪化は抑制しなかった。ベースライン時に微量アルブミン尿を認めなかった例のINT群において大血管イベント発生率が増加した原因は不明であるが,Diabetes Control and Complication Trialにおける細小血管症のように,早期の悪化を反映している可能性が考えられる。