編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lindholm LH, Hansson L, Ekbom T, Dahlof B, Lanke J, Linjer E, Schersten B, Wester PO, Hedner T, de Faire U: Comparison of antihypertensive treatments in preventing cardiovascular events in elderly diabetic patients: results from the Swedish Trial in Old Patients with Hypertension-2. STOP Hypertension-2 Study Group. J Hypertens 2000; 18: 1671-1675. [PubMed]

高齢糖尿病患者の高血圧治療において,ACE阻害薬あるいはCa拮抗薬が,利尿薬あるいはβ遮断薬と同程度に心血管系疾患死を減少させることを示したはじめての大規模介入試験である。ACE阻害薬とCa拮抗薬の比較でも,ACE阻害薬がMIをより減少させ,Ca拮抗薬は脳卒中をより減少させた点も興味深い。【片山茂裕

●目的 高血圧を有する高齢糖尿病患者において,従来の降圧薬(利尿薬,β遮断薬,あるいはその併用)と新規降圧薬(Ca拮抗薬,ACE阻害薬)の心血管イベント抑制効果を比較検討した。一次エンドポイントは心血管死。
●デザイン 前向き,無作為,オープン,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は4年以上。登録期間は1992年9月1日~1994年12月30日。追跡は1998年12月31日まで。
●対象患者 719例:STOP Hypertension-2に登録された高齢(70~84歳[平均76.0歳])の高血圧患者6614例のうち,ベースライン時にNIDDMが認められた症例(平均75.8歳)。
●方法 患者を従来薬群(利尿薬[hydrochlorothiazide+amiloride]またはβ遮断薬[atenolol,metoprolol,pindolol]),ACE阻害薬(ACEI)群(enalapril,lisinopril),Ca拮抗薬(CaA)群(felodipine,isradipine)に無作為化。NIDDM症例はそれぞれ253例,235例,231例。
●結果 24ヵ月以上生存した症例における仰臥位血圧の低下は,従来薬群33.7/15.8mmHg,CaA群34.2/17.9mmHg,ACEI群34.7/15.7mmHgと,3群で同等であった。
心血管死亡率は,従来薬群37.3%(45例),ACEI群34.1%(39例),CaA群28.9%(33例)で,心血管死に対する抑制効果も3群で同等であった。各治療群間の心血管死の相対リスク(RR)は以下のとおりであった:新規降圧薬群(CaA群+ACEI群) vs. 従来薬群 0.86(95%CI 0.59-1.25),CaA群 vs. 従来薬群 0.78(95%CI 0.50-1.23,p=0.29),ACEI群 vs. 従来薬群 0.91(95%CI 0.59-1.40,p=0.68),ACEI群 vs. CaA群 1.19(95%CI 0.75-1.89,p=0.47)。
全(致死性+非致死性)心筋梗塞(MI)の発症率は,従来薬群22.2%(26例),ACEI群15.3%(17例),CaA群29.6%(32例),全(致死性+非致死性)脳卒中の発症率はそれぞれ34.7%(39例),31.6%(34例),26.9%(29例)で,従来薬群と各新規降圧薬群間に有意差は認められなかった。CaA群 vs. 従来薬群では,全MIのRR 1.31(95%CI 0.78-2.20,p=0.31),全脳卒中のRR 0.80(95%CI 0.49-1.29,p=0.36)。ACEI群 vs. 従来薬群では,全MIのRR 0.68(95%CI 0.37-1.26,p=0.22),全脳卒中のRR 0.88(95%CI 0.56-1.40,p=0.59)。しかし,ACEI群とCaA群の比較では,全MIはACEI群で有意に減少し(RR 0.51,95%CI 0.28-0.92,p=0.025),一方,全脳卒中についてはACEI群で増加傾向が認められた(RR 1.16,95%CI 0.71-1.91,p=0.55)。
●結論 高血圧を有する高齢糖尿病患者において,従来の降圧薬(利尿薬,β遮断薬,あるいはその併用)は,新規降圧薬(Ca拮抗薬,ACE阻害薬)と同等の心血管イベント抑制効果を有することが示された。