編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Parving HH, Lehnert H, Brochner-Mortensen J, Gomis R, Andersen S, Arner P; Irbesartan in Patients with Type 2 Diabetes and Microalbuminuria Study Group.: The effect of irbesartan on the development of diabetic nephropathy in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med 2001; 345: 870-878. [PubMed]

AII受容体拮抗薬irbesartan(日本未発売)が微量アルブミン尿を減少させることを示した。ACE阻害薬の腎保護作用はよく知られているが,いままでのトライアルは大半が1型糖尿病を対象としたものであった。このトライアルは2型糖尿病を対象とし,AII受容体拮抗薬が降圧作用と独立して腎保護作用をもつことを示す貴重なものと考えられる。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病および微量アルブミン尿を有する高血圧患者において,AII受容体拮抗薬irbesartanの腎保護作用を評価した。一次エンドポイントは,ベースラインから顕性腎症発症までの時間。二次エンドポイントは,アルブミン尿またクレアチニンクリアランス(Ccr)の変化,正常アルブミン尿の回復。
●デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は2年(中央値)。
●対象患者 590例:2型糖尿病,持続性微量アルブミン尿(20~200μg/分),血清クレアチニン(Cr)濃度≦1.5mg/dL(男性),≦1.1mg/dL(女性)の高血圧患者(SBP>135mmHg,DBP>85mmHg)。30~70歳。
除外基準:非糖尿病性腎疾患,癌,2年以内に死亡が予想される疾患,ACE阻害薬またはAII受容体拮抗薬の適応。
●方法 irbesartan 150mg(1日1回)群195例,300mg(1日1回)群194例,プラセボ群201例に割付け。割付け時,2,4週,3,6,12,18,22~24ヵ月後に,臨床症状,血圧,尿アルブミン排泄,血清Cr濃度,グリコヘモグロビン値,その他の臨床検査を実施。割付け後3ヵ月の目標血圧値は<135/85mmHg。ACE阻害薬以外の降圧薬の併用は可。糖尿病については試験前の治療を継続。
●結果 一次エンドポイントの到達は,プラセボ群30例(14.9%)に対し,irbesartan 150mg群19例(9.7%,調整前ハザード比 0.61,95%CI 0.34-1.08,p=0.08),300mg群10例(5.2%,調整前ハザード比 0.30,95%CI 0.14-0.61,p<0.001)。Ccrの低下,グリコヘモグロビン値の上昇は,3群間で有意差がなかった。試験期間中の平均SBP値はirbesartan群で,脈圧値はirbesartan 300mg群で,プラセボ群に対し有意に低かった。尿アルブミン排泄の低減は,プラセボ群2%,irbesartan 150mg群24%,300mg群38%(irbesartan群 vs. プラセボ群 p<0.001,150mg群 vs. 300mg群 p<0.001)。正常アルブミン尿の回復は,プラセボ群21%に対し,irbesartan 150mg群24%,300mg群34%(p=0.006)。治療開始後2週間以内の重篤な有害事象の発症は,プラセボ群22.8%に対し,irbesartan群15.4%(p=0.02)。
●結論 AII受容体拮抗薬irbesartanは,2型糖尿病および微量アルブミン尿を有する患者において,降圧作用とは独立した腎保護作用を示す。