編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Fujimoto WY, Bergstrom RW, Boyko EJ, Chen KW, Leonetti DL, Newell-Morris L, Shofer JB, Wahl PW: Visceral adiposity and incident coronary heart disease in Japanese-American men. The 10-year follow-up results of the Seattle Japanese-American Community Diabetes Study. Diabetes Care 1999; 22: 1808-1812. [PubMed]

米国在住の日系2世において,糖尿病患者では非糖尿病群に比較してCHDが約2倍の高率で生じ,肥満(特に内臓脂肪蓄積型肥満),血圧,血糖値が大きなリスク因子であることが示された。【片山茂裕

●目的 日系2世の米国人男性において,冠動脈心疾患(CHD)発症のリスク因子を検討した。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 追跡期間は10年。
●対象患者 175例:ワシントン州キング郡在住の日系2世の米国人男性。平均61.2歳。うち糖尿病患者54例,非糖尿病患者121例。
除外基準:ベースライン時にCHDが認められた者。
●方法 ベースライン時の患者背景とCHD発症の相関について,ロジスティック回帰分析を用いて検討した。
・患者背景として,SBP,DBP,体重,BMI,コンピュータ断層撮影による脂肪面積,皮下脂肪厚,腹囲を測定し,2型糖尿病および高血圧の有無を確認した。また,空腹時に血糖(FPG)値,血漿インスリン値,Cペプチド値,コレステロール,LDL-C,HDL-C,HDL2-C,HDL3-C,トリグリセリド(TG),アポ蛋白A1値,アポ蛋白B値を測定し,75g OGTTの30分後に血漿インスリン値とCペプチド値を,2時間後に血糖値を測定した。
・CHDの診断は,安静時12誘導心電図所見および臨床イベント(急性心筋梗塞,狭心症,冠動脈バイパス術施行,冠動脈形成術施行,心停止による突然死)に基づいて行った。
●結果 追跡期間中に50例(28.6%)がCHDを発症した。糖尿病患者のCHD発症率は44.4%で,非糖尿病患者(21.5%)に比して有意に高かった(p=0.0035)。
単変量ロジスティック回帰分析によるCHD発症の有意なリスク因子は,内臓脂肪面積(1SD上昇に伴うオッズ比[以下同]1.57,p=0.0090),FPG値(1.91,p=0.0002),2時間血糖値(1.73,p=0.0008),空腹時HDL-C(0.60,p=0.0086),空腹時HDL2-C(0.65,p=0.030),空腹時HDL3-C(0.65,p=0.018),空腹時TG(1.56,p=0.013),SBP(1.83,p=0.0007),DBP(2.05,p=0.0002),糖尿病(1.71,p=0.0023)であった。
BMIと年齢を補正した複数の多変量ロジスティック回帰モデルを用いて検討すると,内臓脂肪面積およびHDL-CまたはTGを含むモデルでは,内臓脂肪面積とCHD発症には有意な相関が認められたのに対し,HDL-CまたはTGとの相関は認められなかった。また内臓脂肪面積,SBP,FPG値を含むモデルでは,いずれもCHD発症と有意な相関が認められた(それぞれ1.60,p=0.047;1.80,p=0.0039;1.69,p=0.0036)。SBPをDBPに,FPG値を2時間血糖値に置き換えても,同様の結果であった。しかしながら,糖尿病の有無を含めると,FPG値はCHD発症と関連したが,2時間血糖値は関連しなかった。空腹時インスリン値および空腹時Cペプチド値は関連しなかった。
●結論 糖尿病および非糖尿病の日系米国人男性において,内臓脂肪蓄積型肥満,血圧,血糖値はCHD発症の独立した重要なリスク因子であることが示された。