編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年1月現在,1144報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
The Diabetes Control And Complications Trial Research Group: Influence of intensive diabetes treatment on body weight and composition of adults with type 1 diabetes in the Diabetes Control and Complications Trial. Diabetes Care 2001; 24: 1711-1721. [PubMed]

インスリン治療により体重が増加することはよく知られている。本試験において,従来インスリン療法群に比べて,強化インスリン療法群でより著明な体重増加が認められたが,必ずしも脂肪のみが蓄積しているのではなく,除脂肪体重も増加していることが示された。【片山茂裕

●目的 成人の1型糖尿病患者において,強化インスリン療法と従来インスリン療法の体重増加および身体組成に対する効果を比較検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 追跡期間は平均6年(3~9年)。
●対象患者 1246例:DCCT登録患者のうち,割付け時に成人(≧18歳)であった症例。
登録基準:インスリン依存性発現から15年以内,糖尿病歴1~15年,18~39歳,HbA1c>6.55%,一般的な健康状態良好,中等度以下の非増殖網膜症。
除外基準:肥満(>理想体重の130%),インスリン投与>2U/kg/日の必要性。
●方法 患者を,強化療法群(619例)と従来療法群(627例)に割付け。
・強化療法群:複数回/日のインスリン注射またはインスリン皮下持続注入。用量は血糖値(自己測定≧4回/日),食事内容,予想運動量により調整した。目標血糖値は,空腹時または食前70~120mg/dL,食後<180mg/dL,午前3時>65mg/dL(週1回測定),HbA1c≦6.05%(月1回測定)。治療開始時に3~4日間入院,その後は月1回以上通院。
・従来療法群:1~2回/日のインスリン注射。尿糖値または血糖値を自己測定。運動の推奨。3ヵ月ごとの通院。
・両群で個別の食事療法を実施(1988年以降は全例に米国コレステロール教育プログラム[NCEP]Step1を実施)。
・治療目標は,両群で糖尿または高血糖症状消失,ケトン尿陰性,正常な成長と理想体重の維持,頻回または重度の低血糖抑制。さらに強化療法群で,非糖尿病レベルの血糖コントロール。
・ベースライン時,その後1年ごとに身長と体重を測定し,BMIを評価。
・平均70ヵ月後に身体組成を評価(ウエストヒップ比[WHR]と,インピーダンス法により体脂肪率および非脂肪組織量を評価)。
●結果 追跡期間中の体重増加は,強化療法群で平均4.75kg多く(p<0.0001),これはBMIでは男性1.5kg/m²,女性1.8kg/m²の増加に相当した。
成長曲線解析による1年あたりの体重増加の予測値を実測値と比較すると,両群において体重増加は治療1年目に最も急激であることが示された。
過体重例(BMI:男性≧27.8kg/m²,女性≧27.3kg/m²)の割合と顕著な体重増加(BMI増加≧5kg/m²)例の割合は,強化療法群で有意に高かった(p≦0.01)。一方,WHR増加(男性>0.9,女性>0.85)例の割合は,両群間に有意差はなかった。
顕著な体重増加例では,非増加例に比して体脂肪率がより高く,非脂肪組織量もより多い傾向がみられた。非増加例では,強化療法群でより非脂肪組織量が多かったが,体脂肪率に差はみられなかった。
●結論 成人の1型糖尿病患者における強化インスリン療法は,従来インスリン療法に比較して体重増加を増大させたが,増加分は脂肪組織に加え非脂肪組織も含んでいることが示された。