編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Baba S; The J-MIND Study Group: Nifedipine and enalapril equally reduce the progression of nephropathy in hypertensive type 2 diabetics. Diabetes Res Clin Pract 2001; 54: 191-201. [PubMed]

本研究はオ-プンではあるが,わが国において行われた数少ない無作為化前向き研究である。AERを指標とした場合,Ca拮抗薬であるnifedipine(徐放錠)がACE阻害薬と同等の糖尿病性腎症の進展抑制効果を示したといえる。血圧が従来の試験より低めの140/90mmHg程度に管理されているのも特筆に値する。【片山茂裕

●目的 高血圧を有する2型糖尿病患者において,Ca拮抗薬nifedipine(徐放錠)の腎症発症および進展抑制効果と安全性をACE阻害薬enalaprilと比較検討した。
一次エンドポイントは糖尿病腎症の発症または進展。二次エンドポイントは心血管イベント,糖尿病合併症,有害事象。
●デザイン 無作為,オープン,前向き,intention-to-treat解析。
●試験期間 追跡期間は24ヵ月。
●対象患者 436例:2型糖尿病の外来患者。
登録基準:<75歳。血清クレアチニン値≦2.5mg/dLまたはクレアチニンクリアランス≧30ml/分。正常アルブミン尿(アルブミン排泄率[AER]<30mg/日)または微量アルブミン尿(AER30~300mg/日)。降圧療法中止時におけるSBP≧140mmHgおよび/またはDBP≧90mmHg。
除外基準:1ヵ月以上の食事療法および/または薬物療法後におけるHbA1c値>12%。悪性高血圧。腎動脈狭窄。顕性蛋白尿(AER≧300mg/日)。
●方法 観察期間(≧2週)後,nifedipine 20mg/日群(228例)とenalapril 5mg/日群(208例)に割付け。
・すでに降圧療法が行われている患者では,観察期間中に降圧薬を2週間以上中止した。
・4週後に目標血圧(<140/90mmHg)または降圧目標(20/10mmHgの低下)が達成されない場合,nifedipine群では60mg/日,enalapril群では20mg/日まで増量。その後も達成されない場合は,利尿薬furosemideまたはα遮断薬を段階的に追加併用。
・6ヵ月ごとにAERを測定。
●結果 ベースライン時の患者背景に関して両群間に差はみられず,平均AERはnifedipine群で45mg/日,enalapril群で42mg/日であった。24ヵ月後にはそれぞれ64mg/日,74mg/日と有意に上昇したが(それぞれp<0.01,0.05),両群間に有意差は認められなかった。
観察期間中のAERに基づいてサブグループ解析を行ったところ,正常アルブミン尿症例では両群とも24ヵ月後にAERの有意な上昇が認められたが(p<0.001),微量アルブミン尿症例では有意な変化は認められなかった。正常アルブミン尿から微量アルブミン尿への進展(nifedipine群21.7%,enalapril群15.8%),微量アルブミン尿から顕性蛋白尿への進展(6.3 vs. 5.7%),微量アルブミン尿から正常アルブミン尿への改善(29.7 vs. 20.8%)についても両群間に有意差は認められなかった。
心血管イベントの発生は,nifedipine群で5件,enalapril群で8件と同等であった。有害事象の発生は,それぞれ33件,34件であった。
●結論 顕性蛋白尿の認められない高血圧の2型糖尿病患者において,nifedipine(徐放錠)とenalaprilは同等の腎症抑制効果を有することが示された。