編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Pan XR, Li GW, Hu YH, Wang JX, Yang WY, An ZX, Hu ZX, Lin J, Xiao JZ, Cao HB, Liu PA, Jiang XG, Jiang YY, Wang JP, Zheng H, Zhang H, Bennett PH, Howard BV: Effects of diet and exercise in preventing NIDDM in people with impaired glucose tolerance. The Da Qing IGT and Diabetes Study. Diabetes Care 1997; 20: 537-544. [PubMed]

糖尿病の高リスク群(IGT群)に対する生活習慣への介入が,糖尿病発症にどう影響するかを検討したものである。同様の研究として,スウェーデンMalmo市の6-year Malmo feasibility study,および先頃発表されたDPPがある。いずれにおいても,生活習慣の変革が糖尿病の一次予防に非常に有効であることを示している。本研究においては運動療法群での発症予防効果が著しく,日常診療において運動を勧める際の強力なエビデンスとして利用できよう。【河盛隆造

●目的 耐糖能異常(IGT)患者において,食事療法,運動療法,両者の併用療法によるNIDDM発症抑制効果を比較検討した。
●デザイン 無作為,多施設。
●試験期間 追跡期間は6年。スクリーニング期間は1986年6~12月。
●対象患者 577例:中国大慶(Da Qing)市内のクリニックに通院している110660例のうち,WHO基準によるIGT症例(空腹時血糖[FPG]値<126mg/dL,75g OGTT 2時間値140~199mg/dL)。≧25歳。
●方法 各クリニックを対照群,食事療法群,運動療法群,併用(食事療法+運動療法)群に割付け。
・対照群:糖尿病とIGTについての一般的な情報提供および患者教育を実施。
・食事療法群:痩せ(BMI<25kg/m²)症例には,25~30kcal/kgの食事療法(炭水化物55~65%,蛋白質10~15%,脂肪25~30%)を実施。過体重(BMI≧25kg/m²)症例には,BMI 23kg/m²となるようカロリー摂取制限による減量を推奨。
・運動療法群:余暇の運動≧1U/日(<50歳で心血管疾患または関節炎のない症例では≧2U/日)を推奨(1Uは,軽度運動30分,中等度運動20分,強度運動10分,最強度運動5分に相当)。
・2年ごとに追跡調査を実施し,NIDDM発症を評価。Cox比例ハザード解析により,NIDDM発症率が各群間で異なるかを検討。
●結果 エンドポイントまたは6年後まで追跡可能であったのは530例(対照群133例,食事療法群130例,運動療法群141例,併用群126例)であった。
6年後の糖尿病の累積発症率は,対照群67.7%(95%CI[以下同]59.8-75.2%),食事療法群43.8%(35.5-52.3%),運動療法群41.1%(33.4-49.4%),併用群46.0%(37.3-54.7%)で,各療法群と対照群間に有意差が認められた(p<0.05)。各療法群間の有意差は認められなかった。痩せ症例(208例)と過体重症例(322例)についての層別解析でも,糖尿病発症率は各療法群で対照群に比して減少し,その相対的減少度は同等であった。
ベースライン時のBMIおよびFPG値を補正後のCox比例ハザード解析では,糖尿病発症リスクの低下は,食事療法群31%(p<0.03),運動療法群46%(p<0.0005),併用群42%(p<0.005)であった。
●結論 IGT患者おける食事療法,運動療法,両者の併用療法は,6年後までの糖尿病発症を有意に抑制することが示された。